ドイツの名メゾ・ソプラノ生誕80年記念!『ブリギッテ・ファスベンダー・エディション』(11枚組)
ドイツのメゾ・ソプラノ歌手、ブリギッテ・ファスベンダーの80歳の誕生日を記念したBOXセットが発売されます。彼女は1939年7月3日、ハンサムで美声のバリトン歌手ヴィリ・ドムグラフ=ファスベンダーと映画女優のザビーネ・ペータースのもと、ベルリンで生まれました。父が教鞭をとっていたニュルンベルク音楽大学で学び、1961年にバイエルン国立歌劇場で『ホフマン物語』のニクラウス役でデビュー。1970~80年代には、ウィーン、ザルツブルク、スカラ座、メトなどの歌劇場に出演し、オクタヴィアン、ケルビーノ、ニクラウス、オルロフスキーなどの男装の役で一世を風靡しました。また、オラトリオやリート歌手としても広いレパートリーを持ち、シューベルトの『冬の旅』や『白鳥の歌』という男声のレパートリーにも名唱を聴かせました。
【参考映像】父ヴィリ・ドムグラフ=ファスベンダー(1897~1978)が歌う
ロッシーニ“セヴィリャの理髪師”~わたしは町の何でも屋(1938年収録)
1994年に引退したあとは演出家となり、ドイツやオーストリアの歌劇場で芸術監督を務める一方、教育活動にも力を入れ、世界各地の音楽祭でマスタークラスを開いたり、国際コンクールの審査員としても活動しています。こうした音楽界への多大な功績により、近年はドイツのみならずフランスやイギリスからも各種の表彰を数多く受けています。
多様な声色を駆使した性格的な歌唱を得意とした彼女は、オペラに、宗教曲に、リートに幅広い表現力を発揮しました。また『ばらの騎士』や『こうもり』の公演で指揮者のカルロス・クライバーの盟友となった彼女は、ともに偉大な音楽家を親にもつ者同士でもあり、私生活でもクライバーの良き相談相手でした(彼女の証言はドキュメンタリー『カルロス・クライバー…無への足跡』で接することができます)。
このBOXには彼女が得意とした歌曲の数々とオペラの当たり役が抜粋収録されており、彼女の歌唱芸術を振り返る上で欠かすことのできない一組となっています。
(タワーレコード)
【参考映像】“こうもり”~オルロフスキーに扮したファスベンダー
カルロス・クライバー指揮バイエルン国立歌劇場管(1986年収録)
ファスベンダー祝80歳記念BOX。CD11枚組
《ブリギッテ・ファスベンダー・エディション》
2019年7月3日に80歳の誕生日を迎えるブリギッテ・ファスベンダーを祝し、賞賛された多くの録音を集めたCD11枚組のBOXが発売されます。ドイツ・グラモフォン、デッカから伝説となっているアルバム7枚に新コンピレーション・アルバム4枚をプラスしています。この偉大なドイツのメッゾ・ソプラノ歌手の芸術の深さ、生き生きとした表現力は、グラモフォン賞を受賞したシューベルト、リストとR.シュトラウスの録音やマーラーの歌曲の中で、そしてまたドラベッラ(ベーム指揮)、アズチェーナ(ジュリーニ指揮)、ブランゲーネ(クライバー指揮)、オルロフスキー公爵(プレヴィン指揮)などの徹底した役作りの中に発揮されています。
ブリギッテ・ファスベンダー特別インタビュー掲載の52ページのブックレット付キャップボックス仕様。
収録予定
シューベルト:
《CD 1》美しき水車小屋の娘D795
【演奏】アリベルト・ライマン(ピアノ)
【録音】1993年、ベルリン
《CD 2》1) 白鳥の歌D957、2) 反抗Op.105、3) 月に寄せるさすらいの歌D870, Op.80 No.1、4) 秋D945
【演奏】アリベルト・ライマン(ピアノ)
【録音】1989年、1991年、ベルリン
《CD 3》レーヴェ:1) 集められた歌曲、歌、ロマンスとバラードOp.9、2) 歌曲集Op.62より、3) 女の愛Op.60
【演奏】ゴード・ガーベン(ピアノ)
【録音】1987年、ベルリン
《CD 4》シューマン:1) 女の愛と生涯Op.42、2) 悲劇Op.64 No.3、3) リーダークライスOp.24
【演奏】アーウィン・ゲージ(ピアノ)
【録音】1984年、ベルリン
《CD 5》ヴォルフ:メリケの詩による歌曲集
【演奏】ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)
【録音】1992年、モントリオール
《CD 6》リスト&R.シュトラウス:歌曲集
【演奏】アーウィン・ゲージ(ピアノ)
【録音】1985年、ベルリン
《CD 7》1) リスト:歌曲集、2) ドヴォルザーク:歌曲集、3) ブラームス:歌曲集
【演奏】ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)(1)、ユリアーネ・バンゼ(ソプラノ)、コード・ガーベン(ピアノ)(2)、エディット・マティス(ソプラノ)、ペーター・シュライアー(テノール)、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、カール・エンゲル(ピアノ)(3)
【録音】1990年、モントリオール(1)、1993年(2)、1982年、1981年(3)、ベルリン
《CD 8》マーラー:1) リュッケルト歌曲集、2)『子供の不思議な角笛』より、3) さすらう若者の歌、4) 亡き子をしのぶ歌
【演奏】リッカルド・シャイー(指揮)ベルリン・ドイツ交響楽団
【録音】1989年、ベルリン
《CD 9》1) ムソルグスキー:死の歌と踊り、2) ブラームス:アルト・ラプソディOp.53より「Aber abseits wer ist’s?」、3) マーラー:大地の歌(抜粋)
【演奏】ネーメ・ヤルヴィ(指揮)エーテボリ交響楽団(1)、ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(2)、カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(3)
【録音】1992年、エーテボリ(1)、1982年、プラハ(2)、1984年、ベルリン(3)
《CD 10》1) ヴェルディ:歌劇『イル・トロヴァトーレ』のアズチェーナの場面、2) ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』(抜粋)、3) シェーンベルク:グレの歌(抜粋)
【演奏】ロザリンド・プロウライト(ソプラノ)、プラシド・ドミンゴ(テノール)、エフゲニー・ネステレンコ(バス)、ジョルジョ・ザンカナーロ(バリトン)、カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団(1)、マーガレット・プライス(ソプラノ)、ルネ・コロ(テノール)、カルロス・クライバー(指揮)シュターツカペレ・ドレスデン(2)、リッカルド・シャイー(指揮)ベルリン放送交響楽団(3)
【録音】1984年、ローマ(1)、1981年、ドレスデン(2)、1985年、ベルリン(3)
《CD 11》1) スカルラッティ:愛の園(抜粋)、モーツァルト:2) 歌劇『皇帝ティートの慈悲』(抜粋)、3) 歌劇『偽の女庭師』(抜粋)、4) 歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』(抜粋)、5) フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』(抜粋)、6) プフィッツナー:歌劇『パレストリーナ』(抜粋)、7) プッチーニ:歌劇『マノン・レスコー』(抜粋)、8) J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』(抜粋)
【演奏】ハンス・シュタットルマイア(指揮)ミュンヘン室内管弦楽団(1)、ルチア・ポップ(ソプラノ)、テレサ・ベルガンサ(メッゾ・ソプラノ)、イシュトヴァン・ケルテス(指揮)ウィーン国立歌劇場管弦楽団(2)、レオポルト・ハーガー(指揮)ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団(3)、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、レリ・グリスト(ソプラノ)、ペーター・シュライアー(テノール)、ロランド・パネライ(バリトン)、ヘルマン・プライ(バリトン)、カール・ベーム(指揮)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(4)、ルチア・ポップ(ソプラノ)、サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(5)、ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送交響楽団(6)、ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)、Iris Saunders(ソプラノ)、レナート・ブルゾン(バリトン)、Elizabeth Stanford(ヴォーカル)、エリザベート・シコラ(ヴォーカル)、Jean Tredaway(ヴォーカル)、ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)フィルハーモニア管弦楽団(7)、エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)、ヴォルフガング・ブレンデル(バリトン)、アンドレ・プレヴィン(指揮)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(8)
【録音】不明(1)、1967年(2)、1978年(5)、1990年(8)、ウィーン、1980年(3)、1974年(ライヴ)(4)、ザルツブルク、1973年、ミュンヘン(6)、1984年、ロンドン(7)
【演奏】ブリギッテ・ファスベンダー(メッゾ・ソプラノ)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2019年04月03日 00:00