44歳で早世した名指揮者の遺産を理想的に編集!『アタウルフォ・アルヘンタの芸術』(22枚組)
整った造形感覚とオーケストラの一糸乱れぬ統率力、
スペイン人らしい情熱的でカラフルな色彩にあふれた演奏
早世した名指揮者の遺産を理想的に編集したBOX登場!
スペインの名指揮者アタウルフォ・アルヘンタは1913年11月19日、スペイン王国北部の都市カストロ・ウルディアレス市で生まれました。12歳のときピアノ、ヴァイオリン、ソルフェージュを学び始め、14歳でヴァイオリニストとして最初の演奏会を開いています。その後、家族でマドリードに移り、マドリード音楽院に入学。17歳のとき、ピアノ科で首席を獲得しました。その後、父が急死したため、親戚が住むベルギー、リエージュに移り、リエージュ王立音楽院で学びました。その後、スペインに帰国し、ピアニストとしての活動を開始。22歳で歌劇場のコレペティトアとなり、指揮者としての本格的な修行をスタートさせました。26歳のときスペイン国立管弦楽団に入団し、鍵盤楽器を担当。1941年、28歳のとき、奨学金を得てドイツに留学。ピアノをヴィンフリート・ヴォルフに、指揮をカール・シュリヒトに師事しました。
29歳のとき、留学先のドイツで指揮者デビュー。第2次大戦終結直前にスペインに帰還し、1945年、新たに結成されたマドリード室内管弦楽団の指揮者に就任。同年スペイン国立管弦楽団に初客演。1946年、スペイン国立管弦楽団の第2指揮者に任命され、翌年音楽監督に昇格。その後は国際的な活動を開始し、1948年(35歳)ロンドン交響楽団に客演。1949年(36歳)スイス・ロマンド管弦楽団に客演。1950年にはスペイン国立管弦楽団を率い、パリ公演で成功を収め、フランスのオーケストラへの客演も増えてゆきました。
この頃より録音活動を開始し、スペイン・アルハンブラ、スペイン・コロムビア、そしてスペイン・コロムビアと提携していた英デッカ、米ロンドンに数多くのLPレコード用の録音を行い、師匠シューリヒト譲りの整った造形感覚とオーケストラの一糸乱れぬ統率力を駆使して、スペイン人らしい情熱的でカラフルな色彩にあふれた演奏を行いました。彼の芸風は、開発されたばかりの英デッカの優秀なステレオ録音のデモンストレーションにぴったりで、1956年以降、ベルリオーズの幻想交響曲やチャイコフスキーの交響曲第4番、スペイン音楽集などが続々と録音されました。また、1956年にはフランスのクラブ・フランセ・デュ・ディスクと契約し、録音用に組織されたチェント・ソリ管弦楽団とラヴェルやシューベルトを録音しました。
ますますの活躍が期待された矢先の1958年1月21日、扉を閉めたガレージ内で車内暖房のためにアイドリングしていた自動車の中で一酸化炭素中毒となり、不慮の死を遂げました。まだ44歳の若さでした。
この22枚組のBOXには彼が残した商業録音、ライヴ録音が広範囲に収められており、アルヘンタの生涯、芸風、レパートリーを包括的に理解できる内容となっています。アルヘンタの冴えた指揮により、収録されたそれぞれの作品のすぐれた演奏を聴く、という意味でも非常に聴きごたえのある一組と言えるでしょう。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
【参考音源】サルスエラ『くちづけの伝説』~前奏曲
【CD1】
チャピ:サルスエラ『ムシカ・クラシカ』~前奏曲
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
チャピ:サルスエラ『グラナダの宮廷』~セレナータ
チャピ:サルスエラ『レヴォルトーサ(人騒がせな娘)』~前奏曲
チャピ:サルスエラ『レヴォルトーサ(人騒がせな娘)』~間奏曲
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
ソウトゥーリョ:サルスエラ『くちづけの伝説』~前奏曲
スペイン国立管弦楽団
ソウトゥーリョ:サルスエラ『くちづけの伝説』~間奏曲
ヴィヴェス:サルスエラ『ボヘミオス』~間奏曲
ヴィヴェス:サルスエラ『ボヘミオス』~前奏曲
ルナ:サルスエラ『女王の士官候補生ユダヤの子』~間奏曲
ルナ:サルスエラ『いたずらな粉屋の女房』~間奏曲
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
ルナ:サルスエラ『ユダヤ人の少年』~前奏曲
スペイン国立管弦楽団
チュエカ:サルスエラ『グラン・ヴィア通り』~前奏曲
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
チュエカ:サルスエラ『グラン・ヴィア通り』~イントロダクション
スペイン国立管弦楽団
チュエカ:サルスエラ『果樹園の愉しみ』~パッサカリア
トローバ:サルスエラ『ルイサ・フェルナンダ』~第3幕イントロダクション
リェオ:サルスエラ『ファラオの宮廷』~ワルツ
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
【CD2】
ヒメネス:サルスエラ『アロンソの結婚式』~前奏曲
ヒメネス:サルスエラ『アロンソの結婚式』~間奏曲
ヒメネス:サルスエラ『金の塔』~間奏曲
ヒメネス:サルスエラ『ルイス・アロンソの踊り』~間奏曲
アロンソ:サルスエラ『ラ・カレセラ』~パッサカリア
カバリェーロ:サルスエラ『おばあちゃん』~前奏曲
カバリェーロ:サルスエラ『伍長』~前奏曲
ブレトン:サルスエラ『パロマの前夜祭』~前奏曲
ブレトン:サルスエラ『忘却の歌』~前奏曲
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
トゥリーナ:交響詩『ロシオの巡礼祭』
トゥリーナ:交響詩『トレロの祈り』
スペイン国立管弦楽団
チャピ:サルスエラ『擲弾兵の太鼓』~前奏曲
グリーディ:サルスエラ『農場』~第2幕前奏曲
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
【CD3】
グリーディ:『10のバスクの旋律』
スペイン国立管弦楽団
Rec.1957年(ステレオ)
ブレトン:『アンダルシアの風景』
ブレトン:『アルハンブラにて』
ブレトン:『演奏会用ボレロ』
ブレトン:『ラ・ドロレス』
グラン・オルケスタ・シンフォニカ
Rec.1957年(ステレオ)
【参考音源】ロドリーゴ:『アランフエス協奏曲』
スペイン・コロムビア・オリジナル盤からの板起こし
【CD4】
ロドリーゴ:『アランフエス協奏曲』
ナルシソ・イエペス(ギター)
スペイン国立管弦楽団
Rec.1957年(ステレオ)
ロドリーゴ:『夏の協奏曲』
クリスチャン・フェラス(ヴァイオリン)
フランス国立放送管弦楽団
Rec.1951年4月4日(ライヴ)
ファリャ:『スペインの庭の夜』
ゴンサロ・ソリアーノ(ピアノ)
スペイン国立管弦楽団
Rec.1957年(ステレオ)
【CD5】
ラヴェル:『道化師の朝の歌』
ラヴェル:組曲『マ・メール・ロワ』
ラヴェル:『スペイン狂詩曲』
ラヴェル:『亡き王女のためのパヴァーヌ』
チェント・ソリ管弦楽団
Rec.1956年(モノラル)
ドビュッシー:『管弦楽のための映像』
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1957年5月(ステレオ)
【参考音源】グラナドス:『ゴイェスカス』より間奏曲
【CD6】
グラナドス:『アンダルーサ』(スペイン舞曲第5番)
ロンドン交響楽団
Rec.1956年12月、1957年1月(ステレオ)
グラナドス:『ゴイェスカス』
ロサリオ:コンスエロ・ルビオ(ソプラノ)
ペーパ:アナ・マリア・イリアルテ(メゾソプラノ)
パキーロ:マヌエル・アウセンシ(バリトン)
フェルナンド:ヒネス・トラノ(テノール)
マドリード・シンガーズ
スペイン国立管弦楽団
Rec.1953-1956年(モノラル)
【CD7】
ファリャ:『ペドロ親方の人形芝居』
J.ベルメヨ(ソプラノ)
R.トレス(バリトン)
C.ムングイア(テノール)
スペイン国立管弦楽団
Rec.1958年(ステレオ)
ファリャ:チェンバロ協奏曲
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ)
スペイン国立管弦楽団
Rec.1958年(ステレオ)
ファリャ:『恋は魔術師』
アナ・マリア・イリアルテ(メゾ・ソプラノ)
パリ音楽院管弦楽団
Rec.1951年1月(モノラル)
【CD8】
シャブリエ:狂詩曲『スペイン』
ロンドン交響楽団
Rec.1956年12月、1957年1月(ステレオ)
ファリャ:『恋は魔術師』(Concerto version)
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1957年8月29日(ライヴ)
ファリャ:『三角帽子』
スペイン国立管弦楽団
Rec.1958年(ステレオ)
モシュコフスキ:『スペイン舞曲集』第1巻 Op.12
ロンドン交響楽団
Rec.1956年12月、1957年1月(ステレオ)
【CD9】
R.シュトラウス:『交響詩「ティル・オレインシュピーゲルの愉快ないたずら』 Op.28
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1957年(ライヴ)
※ 最後に26小節分(エピローグの部分)の欠落がありますが、スクリベンダムによりますとスイス・ロマンド放送のマスターに起因するものとのことです。何卒ご了承くださいませ。
リスト:『ファウスト交響曲』S108 (初期ヴァージョン)
パリ音楽院管弦楽団
Rec.1955年1月(ステレオ)
【CD10】
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S124
リスト:ピアノ協奏曲第2番イ長調 S125
ジュリアス・カッチェン(ピアノ)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Rec.1957年1月(ステレオ)
リスト:交響詩『レ・プレリュード』
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1955年5月(モノラル)
R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』Op.20
スペイン国立管弦楽団
Rec.1956年6月24日(ライヴ)
【参考音源】ベルリオーズ:幻想交響曲~第4楽章
【CD11】
ベルリオーズ:『幻想交響曲』
パリ音楽院管弦楽団
Rec.1957年11月(ステレオ)
リムスキー・コルサコフ:『スペイン奇想曲』Op.34
ロンドン交響楽団
Rec.1956年12月、1957年1月(ステレオ)
【CD12】
スメタナ:『売られた花嫁』序曲
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1957年8月29日(ライヴ)
ウェーバー:『オベロン』序曲
スペイン国立管弦楽団
Rec.1956年6月24日(ライヴ)
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
スペイン国立管弦楽団
Rec.1957年5月24日(ライヴ)
【CD13】
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73
フランス国立放送管弦楽団
Rec.1951年4月4日(ライヴ)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
スペイン国立管弦楽団
Rec.1956年6月24日(ライヴ)
【参考音源】チャイコフスキー:交響曲第4番~終楽章
【CD14】
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1955年5,10月(ステレオ)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
アルフレード・カンポーリ(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
Rec.1956年12月(ステレオ)
【CD15】
トゥリーナ:『幻想舞曲集』Op.22
パリ音楽院管弦楽団
Rec.1953年10月(モノラル)
トゥリーナ:『セビリヤ交響曲』
スペイン国立管弦楽団
Rec.1958年(ステレオ)
アルベニス:組曲『イベリア』
パリ音楽院管弦楽団
Rec.1953年10月(モノラル)
【CD16】
エスクデロ:『バスク協奏曲』
マルティン・イマス(ピアノ)
バイエルン放送交響楽団
Rec.1951年5月4日(ライヴ)
アルベニス:『ナヴァラ』
スペイン国立管弦楽団
Rec.1953-1956(ステレオ)
アルベニス:組曲『イベリア』
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1956年3月7日(ライヴ)
ファリャ:『三角帽子』より3つの舞曲
ウィーン交響楽団
Rec.1954年12月8日(ライヴ)
【CD17】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 K.378
アルテュール・グリユミオー(ヴァイオリン)
アタウルフォ・アルヘンタ(ピアノ)
Rec.1955年9月6日(ライヴ)
※使用マスターの問題で音圧レヴェルが低くなっています
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op.30
アルテュール・グリユミオー(ヴァイオリン)
アタウルフォ・アルヘンタ(ピアノ)
Rec.1955年9月6日(ライヴ)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.100
アルテュール・グリユミオー(ヴァイオリン)
アタウルフォ・アルヘンタ(ピアノ)
Rec.1955年9月6日(ライヴ)
【参考音源】シューベルト:交響曲第9(8)番ハ長調 D944『グレート』~第4楽章
【CD18】
R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』Op.20
ウィーン交響楽団
Rec.1954年12月8日(ライヴ)
シューベルト:交響曲第9(8)番ハ長調 D944『グレート』
チェント・ソリ管弦楽団
Rec.1957年11月8日(ステレオ)
【CD19】
ハイドン:交響曲第92番『オックスフォード』
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1956年3月7日(ライヴ)
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 Op.56『スコットランド』
ウィーン交響楽団
Rec.1953年5月6日(ライヴ)
【CD20】
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1957年12月4日(ライヴ)
ストラヴィンスキー:『プルチネッラ』組曲
フランス国立放送管弦楽団
Rec.1951年4月4日(ライヴ)
アルフテル:シンフォニエッタ ニ長調
スペイン国立管弦楽団
Rec.1957年(ステレオ)
【CD21】
オアナ:オラトリオ『イグナシオ・サンチェス・メヒアスへの哀歌』(ガルシア・ロルカの詩による)
マウリシオ・モジョ(ナレーター)
ベルナール・コトレ(バリトン)
チェント・ソリ管弦楽団&合唱団
Rec.1954年(モノラル)
オアナ:クラヴサンと管弦楽のためのサラバンド
デニス・グアルヌ(クラヴサン/プレイエル)
チェント・ソリ管弦楽団
Rec.1954年(モノラル)
【CD22】
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36
スイス・ロマンド管弦楽団
Rec.1957年8月29日(ライヴ)