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カペリャ・デ・ミニストレルスによるモラレスの哀歌に弦楽合奏を添えた美しいアルバム『モラレス:哀歌集』


[Capella de Ministrers 公式チャンネルより]

スペイン・ルネサンスの巨匠モラレス、悲痛と玄妙のはざまで「哀歌」に弦楽を添えて

スペイン南東部バレンシア地方を拠点に、学術的根拠に基づきながら、企画性の高い中世&ルネサンス音楽のプログラムを提案しつづけているカペリャ・デ・ミニストレルス。
彼らが主宰するレーベルの音源はどれひとつとっても筋の通った注目すべきプログラムが魅力で、生々しい直接音をほどよい残響とともに伝える独特の自然派録音とあいまって、絶好の聴覚体験を約束してくれるものばかり。中世系のアルバムでは物語性ある選曲も魅力ですが、今回のようなルネサンス系の録音では静謐なア・カペラを活かしながらの適切な器楽伴奏も味わい深く、音楽学的研究をあざやかに現場的演奏効果にむすびつけてくれ、そのセンスには脱帽です。

今回の最新アルバムは、彼らの故郷スペインで16世紀に最も敬愛されていた作曲家のひとりモラレスの「哀歌」を集めた1枚。
モラレスは対位法芸術の粋をゆく多声音楽で才能をぞんぶんに発揮し、諸芸術に通じた皇帝カール5世(スペイン王カルロス1世)の宮廷でさまざまな教会音楽を残しました。神に背いて滅ぼされたエルサレムについて嘆いた預言者エレミアの悲しみの詩、旧約聖書の『哀歌』に歌詞をもとめ、復活祭前の節制期間などに唱えられていた本盤の音楽に、音楽監督マグラネルは弦楽合奏を折々添えてみせました。

彼らアンサンブルの活躍地バレンシアはガンバ発祥の地とも言われ、独特の再現モデルによる玄妙なガット弦の響きの重なりは、各パートひとりずつのマドリガーレ編成で再現される教会歌の幽玄さとあいまって、500年前の音楽世界の生々しい悲痛さをあざやかに「いま」に甦らせてゆきます。
(ナクソス・ジャパン)

『モラレス: 哀歌集』
【曲目】
クリストバル・デ・モラレス(1500-1553):スペイン王カルロス1世の宮廷礼拝堂に捧ぐエレミア哀歌さまざま
1. アレフ「なぜ、この都は孤独にへたり込んでいるのか」(『哀歌』第1歌第1~3節)
2. ヌム「わが罪過の枷は、そのかたの手に握られ」(『哀歌』第1歌第14~16節)
3. ヘート「神は心をお決めになり、シオンの壁を打ち壊すことに」(『哀歌』第2歌第8~10節)
4. ザイン「その君子たちは雪のように白く」(『哀歌』第4歌第7~9節)
5. コフ「わたしは恋人たちに声をかけたが」(『哀歌』第1歌第19~21節)
6. フェー「シオンはその両手を伸ばして」(『哀歌』第1歌第17~18節)

【演奏】
カペリャ・デ・ミニストレルス(古楽器使用)
[メンバー]
エリア・カサノヴァ(ソプラノ)
ウーゴ・ボリバル(アルト=カウンターテナー)
フラン・ブラオホス(テノール)
アルベルト・リエラ(テノール)
ビクトル・ソルド(テノール)
パブロ・アコスタ(バス)
カルレス・マグラネル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ジョルディ・コメリャス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リシャニア・フェルナンデス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
パブロ・ロメロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
レオナルド・ルッケルト(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ロベルト・カセス(テオルボ)

総指揮:カルレス・マグラネル

【録音】
2019年5月24~25日
ラ・マレ・デ・デウ・デルス・デセンパラツ(孤児たちのための聖母)教会、バレンシア、スペイン

輸入盤

 

国内仕様盤

[日本語解説・歌詞訳付]

 

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2020年02月21日 00:00