なんと25年ぶりに巨匠シューリヒトの秘蔵ライヴ、お宝級の稀少音源が復活!(6枚組)
なんと25年ぶりに巨匠シューリヒトの
秘蔵ライヴ、お宝級の稀少音源が復活!
カール・シューリヒト(1880-1967)生誕140年企画。
宇野功芳氏絶賛のハイドン「86番」「ロンドン」から、ヘッセン放送響とのモーツァルト「40番」、パリ音楽院との全集録音を上まわるかシュトゥットガルト放送響とのベートーヴェン「1番」「7番」、人間臭ふんぷんで激しい54年モントルーでの「第九」、貴重なメンデルスゾーン「イタリア」、さらには美演「ジークフリート牧歌」、生々しい名演「死と変容」、そして極めつけのブルックナー「5番」「7番」まで、全11曲。プレミア級の秘蔵名演ライヴがついにキングインターナショナルから復活します!
キングレコードの倉庫に眠っていたイタリア・アフェット(Affetto)制作・提供のテープから、25年ぶりに最新リマスタリング!もともと総じて良好な音質がさらに鮮明になって甦った、ファン垂涎の秘蔵音源にご期待ください。全曲、1995年にキングレコード(セブンシーズ・レーベル)から初発売されたときの宇野功芳氏の演奏解説付きです。
(キングインターナショナル)
カール・シューリヒト秘蔵ライヴ(6CD)
カール・シューリヒト(指揮)
<収録曲情報>
★・・宇野功芳(1995年記)。ブックレットに転載する氏のライナーノーツより抜粋
CD 1
ハイドン:
1. 交響曲 第86番 ニ長調
2. 交響曲 第104番 ニ長調 「ロンドン」
モーツァルト:
3. 交響曲第40番ト短調 K.550
北ドイツ放送交響楽団(1)/シュトゥットガルト放送交響楽団(2)/ヘッセン放送交響楽団(3)
録音:1961年(1)52年9月10日(2)63年3月20日(3)(ライヴ)
●旧CD=セブンシーズKICC-2391(1,3) (1995.4.21),KICC-2402(2) (1995.8.23)
★ハイドン86番・・アポロ芸術の粋~シューリヒトのハイドン! 録音年代は1961年、巨匠の81歳の棒であるが、音質がとび切り良く、彼の芸風が手に取るように分かる。第1楽章のアダージョの序奏が何と晴れやかに始まることだろうか。テンポも速いが、なによりも弱音指定なのにおどろくほど強く、しかも明るい音色で鳴り始める。その強烈さがいかにもユニークなのだ。・・・ハイドンの「第86番」は名作だけに、古くはワルター/ロンドン響による超ロマン的な名盤があり、新しくはブリュッヘン/18世紀オケによるフレッシュな名演に恵まれているが、シューリヒトの前ではさすがの両者も色あせる感じだ。
★ハイドン104番「ロンドン」・・ハイドンの「第104番」最高の名演! シューリヒトはハイドンの「ロンドン」をことのほか得意にしており、以前、フランス国立管弦楽団を振った絶妙のライヴが出ていた。第1楽章の異様に遅いテンポはいつもの彼とは別人であり、そのことにもおどろかされたが、残念ながら廃盤になってしまった。そこへ今回のシュトゥットガルト盤の登場である。前述のレコードは1955年のライヴ、新盤は52年のライヴで、この方が古いにもかかわらず、音質はずっと良く、ファンの渇きは一挙に癒された。
★モーツァルト40番・・あの「プラハ」を耳にするとシューリヒトのモーツァルトは次元が違うと思わせるが、「第40番」はちょっと勝手が悪いようだ。曲自体ロマンティックな情緒が強く、シューリヒトの芸風になじまないところがある。
CD 2
ベートーヴェン:
1. 交響曲 第1番 ハ長調 作品21
2. 交響曲 第7番 イ長調 作品92
シュトゥットガルト放送交響楽団
録音:1961年3月7日(1)52年10月24日(2)(ライヴ)
●旧CD=セブンシーズKICC-2393(1995.4.21) (1),KICC-2402(1995.8.23) (2)
★ベートーヴェン1番・・清朗無比な「第1」の名演! とくに見事なのは第1楽章であろう。序奏部の8小節、10小節におけるテヌートのついた4分音符とつかないそれとの描き分けは、他の指揮者が無視しているだけに、こうでなくては、と思わせるし、主部のアレグロは速いテンポと軽快なリズムをこの上なく際立たせつつ、しかも味がうすくならないところが彼ならではだ。スフォルツァンドのなんと生きていること! とにかく聴いていて心が浮きうきと弾んで仕方がない。われわれはここで絶好調のシューリヒトの芸術に接しているのである。
★ベートーヴェン7番・・ハイドン「104番」と同じ年のライヴで、やはりシューリヒトは絶好調であるが、音質は高音がやや鈍く、歪みっぽいのが残念だ。そのためにフィナーレの楽器の彫りが浅くなってしまったが、スケルツォまではパリ音楽院とのスタジオ録音(1957年)をはるかに上まわる出来ばえといえよう。
CD 3
ベートーヴェン:
交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
フランス国立放送管弦楽団、合唱団
マリア・シュターダー(ソプラノ)、カタリナ・マルティ(アルト)、ヴァルデマール・クメント(テノール)、ハインツ・レーフス(バス)
録音:1954年9月12日モントルー音楽祭(ライヴ)
●旧CD=セブンシーズKICC-2403 (1995.8.23)
★シューリヒトの人間臭ふんぷんたる第9!
これは1954年9月の放送用ライヴ録音である。シューリヒトは4年後にやはりフランスのオーケストラを振って同曲をスタジオ録音しているが、両者のあまりの違いにびっくりしてしまった。もちろんそれは4年の歳月の経過にあるので
はなく、ライヴとスタジオ録音の差なのだ。
CD 4
1. メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 作品90「イタリア」
2. ワーグナー : ジークフリート牧歌
3. R.シュトラウス:交響詩「死と変容」作品24
シュトゥットガルト放送交響楽団
録音:1954年1月28日(1)、55年9月27日(2)、54年5月20日(3)(ライヴ)
●旧CD=セブンシーズKICC-2395 (1995.4.21)(1,2)、KICC-2401 (1995.8.23)(3)
★メンデルスゾーン4番「イタリア」・・シューリヒト初の「イタリア」! シューリヒトの「イタリア」というのは珍しい。おそらくディスクとしては初出だと思うが、明らさまではないにせよ、かなりユニークな解釈である。・・第1楽章のすべての細部が、伴奏リズムにしろ、対旋律にしろ、ハーモニーにしろ、おどろくほど息づいている。しかも表面を流れているのはいつもの彼のレガートとイン・テンポの運びであり、いわばシューリヒトの秘密を解き明かすような演奏なのだ。
★ジークフリート牧歌・・美演だ。全曲一分の隙間もなく音がつながってゆく流麗なレガートはシューリヒトの独壇場であるが、例によってその中に内声の意味深い生かし方が光り、なによりも全篇にあふれる愛情の温かさと共感に満ちたニュアンスがすばらしい。
★死と変容・・生々しい有機的な名演~シューリヒト初のR.シュトラウス! 演奏は実にすばらしい。1954年のライヴだが、音質は生々しく、シューリヒトの表現力が如実に伝わってくる。彼は作曲者が書いた音符の一つひとつの意味を的確に捉えており、序奏部のティンパニの鼓動から命そのものだ。8小節目と9小節目の弦の頭につけられたアクセントがこんなに意味深く生きた演奏を僕は初めて聴く。
CD 5
ブルックナー:
交響曲 第5番 変ロ長調
ヘッセン放送交響楽団
録音:1959年2月27日 (ライヴ)
●旧CD=セブンシーズKICC-2404 (1995.8.23)
★フィナーレのすばらしさに圧倒されるシューリヒトの5番!
シューリヒトには1963年にウィーン・フィルを振ったライヴの5番がすでに発売ずみであるが、今回のCDはそれより4年前のヘッセンでの実演録音である。両者に優劣をつけるのはむずかしいが、音質は拡がりと豊かさにおいて、わずかにヘッセン盤を上位にしたい。
CD 6
ブルックナー:
交響曲 第7番 ホ長調
デンマーク国立放送交響楽団
録音:1954年9月30日 (ライヴ)
●旧CD=セブンシーズKICC-2405 (1995.8.23)
★ライヴならではのシューリヒトの7番!
7番のCDとしては、すでにベルリン・フィルによる1938年のSP復刻盤と、有名なハーグ・フィルとの1964年盤(ともにスタジオ録音)が出ており、「平均した単純さ」の中にブルックナーの本質を鋭く抉り出した名演である。ところが、今回初出の1954年盤はデンマーク放送交響楽団によるライヴだけにテンポの動きが激しく、エスプレッシーヴォなシューリヒトを満喫することが出来る。第1楽章は速めのテンポを基本に、ものおじせず歌い抜いており、ハーモニーはむせるように豊かだし、セカンド・ヴァイオリンやホルンなどの合いの手が終始生きて語りかける立体感は最高だ。
【仕様】
KKC4222/7(6CD)
モノラル
国内製造品
日本語帯・解説付
音源提供:Affetto, Italy
(P)1995 KING RECORDS
Remastering:(P) & (c) 2020 KING INTERNATIONAL
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2020年05月25日 15:00