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Alva Noto(アルヴァ・ノト)|デジタル複製をコンセプトにした〈Xerrox〉シリーズの第4弾

Alva Noto

坂本龍一とのコラボレーションで知られるドイツ人天才サウンドアーティスト、現代エレクトロニック・ミュージックの先導者、Alva Noto(アルヴァ・ノト)ことカールステン・ニコライによるデジタル複製をコンセプトにした〈Xerrox(ゼロックス)〉シリーズの新作『Xerox Vol.4』が遂に完成!

前作『Xerrox Vol.3』から約5年振りのリリース。全5部作となる予定の本シリーズは、コピー(複製)というプロセスをベースに無限の複製によるデータ操作で作曲を行うプロジェクト。

「他のコピーからコピーを作成するという手順には固有の間違いが生じるため、複製元である日常のサウンドはオリジナルと関連づけることができなくなるほどに大きく変化し、その結果、全く新しい音が作り出され、オリジナルのコピーがオリジナルそのものとなる。」

本シリーズでのアルヴァ・ノトは、その正確で緻密なサウンドデザインから離れて、よりハーモニー重視の作曲テクニックを用いた5部作を制作し続けている。

外部素材からのサンプリングやレコーディングの断片が出発点となっていたこれまでの〈Xerrox(ゼロックス)〉作品とは異なり、Vol.4では、統一感のあるシネマティックなサウンドスケープ、暖かみのあるコード、爪弾かれるデジタル・アンビエンス、液状化したエレクトロニクス、ドローン、そしてストリングスの洪水に支えられたノイズを融合させて、有機的な暖かさと静かな曲線の間の緊張感、遠くに聞こえる轟音や電子の滝の中に広がるトーンを生み出している。

アルヴァ・ノトの作品は純度の高いサウンドデザインを主としているが、〈Xerrox(ゼロックス)〉シリーズは、より親密なジェスチャーやエモーショナルな感性を包含している。「Transit ExtrasolarTerritories and Inner worlds(太陽系外の領域と内なる世界の通過)」というサブタイトルがつけられた本作では、心温まるエレジーから幻覚を呼び起こすSF 的な投影まで、これまでのアルヴァ・ノトの音楽作品のコンセプチャリズムや秩序性とは一線を画したサウンドが展開されている。

掲載: 2020年06月22日 10:58