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コンチェルト・シロッコ~初期バロックの幻の作曲家ジョヴァンニ・ピッキの珍しいカンツォン集『あらゆる楽器を用いて奏でるカンツォン集』

コンチェルト・シロッコ

1曲だけで名を残した初期バロックの幻の作曲家、バーゼルの精鋭陣が解き明かすその素顔

古楽研究の一大拠点、バーゼルのスコラ・カントルムで腕を磨いた管楽器奏者たちが2009年に結成したコンチェルト・シロッコ、今回の新譜では、たった1曲で名前だけが広く知られていたものの、全貌がまるでわからなかった初期バロックの異才の素顔が明らかに。
英国ルネサンス期の鍵盤曲集でもとくに名高い『フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック』に唯一登場するイタリア人で、そこに収められた異色のトッカータ1曲だけでしか名が知られていなかったジョヴァンニ・ピッキなる作曲家が、生前いかに多彩な音を紡いだ音楽家だったかが、19曲もの器楽曲を通じて解き明かされます。

1572年頃に生まれヴェネツィアを中心に活躍、モンテヴェルディとほぼ同時期を生きたピッキは、かの水の都で『タンクレーディとクロリンダの戦い』やカステッロのソナタ集などが世に出た1625年に1編のカンツォン集を刊行していました。ヴァイオリン、リコーダー、木管コルネット、サックバット(トロンボーン)など多彩な楽器がその音色美とテクニックを競い合わせ、コンチェルト様式の粋をゆくエキサイティングな対話的音楽から、ガブリエーリの複合唱形式を思わせる比較的大編成の作品まで、本場の才人奏者たちでなくては達しえない高度な演奏で味わえるのは絶妙。
研究成果に基づきサックバットのパートをヴィオローネに割り当てるなどの機転も興味深いところで、そのような解説も国内盤には日本語訳を掲載いたします。

※ このCDのバックインレイにて、ピッキの生歿年が誤って記載されておりますが、そのままのご提供になります。ご了承ください。なお、ブックレット及び国内盤の帯に関しては、正しい年が記載されます。
(ナクソス・ジャパン)

『ジョヴァンニ・ピッキ:『あらゆる楽器を用いて奏でるカンツォン集』(1625年ヴェネツィア刊)』
【曲目】
ジョヴァンニ・ピッキ(1572~1643):あらゆる楽器を用いて奏でるカンツォン集(1625年ヴェネツィア刊)

1) 第1カンツォン - 2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット
2) 第2カンツォン - ヴァイオリンまたは木管コルネット、ドゥルツィアン
3) 第3カンツォン - サックバット、ヴァイオリン
4) 第4カンツォン - 2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット
5) 第5カンツォン - 2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット
6) 第6カンツォン - サックバット、ヴァイオリン
7) 第7カンツォン - 2挺のヴァイオリン、サックバット
8) 第8カンツォン - 2挺のヴァイオリン、サックバット
9) 第9カンツォン - 2挺のヴァイオリン、リコーダー
10) 第10カンツォン - 2本のサックバット、2本のリコーダー
11) 第11カンツォン - 2本のサックバット、2本の木管コルネット
12) 第12カンツォン - 2本のサックバット、2挺のヴァイオリン
13) 第13カンツォン - 2本のサックバット、2本の木管コルネット
14) 第14カンツォン - 4本のサックバット、2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット ※
15) 第15カンツォン - 4本のサックバット、2挺のヴァイオリン ※
16) 第16カンツォン - 2挺のヴァイオリン、2本のリコーダー、サックバット、ドゥルツィアン
17) 第17カンツォン - 2部の合奏
18) 第18カンツォン - 2部の合奏
19) 第19カンツォン - 2部の合奏

※ 第1サックバットをヴィオローネで演奏

【演奏】
コンチェルト・シロッコ(古楽器使用/a’=466Hz・1/4コンマ・ミーントーン)
[メンバー]
アルフィア・バキエヴァ、アナ・リス・オヘダ(ヴァイオリン)
アメリー・シュマン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ルーカ・バンディーニ(G調弦ヴィオローネ)
ピエートロ・モデスティ、ヘレン・ロバーツ(木管コルネット)
クレア・マッキンタイア、スザンナ・デフェンディ、ナサニエル・ウッド(サックバット)
ジューリア・ジェニーニ(ドゥルツィアン、各種リコーダー)
プリスカ・コンプロイ(各種リコーダー)
ジョヴァンニ・ベッリーニ(テオルボ)
ミケーレ・ヴァンネッティ(オルガン、チェンバロ)

【録音】
2018年8月18~22日、聖マルタ教会、カローナ(スイス)
2019年12月5~6日、パドヴァ慈善ホール

輸入盤

 

国内仕様盤

[日本語解説付き]

 

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2020年06月26日 00:00