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「現代ヴィオラ演奏の父」ライオネル・ターティス~ヴォカリオン&コロムビア録音選1920-1947(3枚組)

ターティス

カザルスと同じ日に生まれ、カザルスよりも長生きした「現代ヴィオラ演奏の父」
ターティスの遺産をCD3枚に復刻!

チェリストの先駆者パブロ・カザルス(1876年12月29日 - 1973年10月22日)と同じ日に生まれたライオネル・ターティス(1876年12月29日 - 1975年2月22日)は、ヴィオラを独奏楽器として普及させ、それまで僅かしかなかったヴィオラのレパートリーを数え切れないほどのアレンジやトランスクリプションで大幅に拡大した重要な人物です。1937年、60歳で舞台での演奏活動から引退した後は、後進の指導のあたった傍ら、「ターティス・モデル」と呼ばれるヴィオラを開発。これは、彼自身が演奏していた17・1/8インチの非常に大きな楽器の豊かな音色を、より扱いやすい16・3/4インチのサイズで実現するために考案されたものでした。

ターティスはライプツィヒとロンドンでヴァイオリンを学んだ後、ロイヤル・アカデミーの校長であったアレクサンダー・マッケンジーの勧めでヴィオラに転向。ドヴォルザークの弟子の作曲家、指揮者、ヴィオラ奏者のオスカル・ネドバル(1874年3月26日 – 1930年12月24日)の演奏を聞いた彼は、「独奏楽器としてのヴィオラの権利を確立する」ために奮起します。ヴァイオリンの名手たちを見習ってヴィオラ奏法を研究し、ヴィオラが高音域でも良い音を出せることを証明するために、メンデルスゾーンとヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲のトランスクリプションを演奏。彼のヴィオラ演奏は高く評価され、1900年にはロイヤル・アカデミーのヴィオラ教授に任命されました。クライスラーのヴァイオリン演奏に熱狂していたターティスは、彼のスタイルであるヴィブラートをより大きなヴィオラに適応させ、クライスラーと同様に彼の音のトレードマークとなりました。

「現代ヴィオラ演奏の父」と呼ばれたターティスの演奏は、ここに復刻された録音を聴いてわかる通り、楽器が力強く鳴りきっており、同時に豊かな人間性を感じさせるものです。ヴィオラのための自作を含むオリジナル小品から、ヴァイオリン曲や歌曲、室内楽からの編曲物、大規模なソナタや協奏曲まで幅広く収められており、ターティスのヴィオラ演奏の魅力を存分に味わうことができます。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

【曲目】
[CD1]
シューベルト (1797-1828)/ライオネル・ターティス 編曲:
ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重奏曲 変ロ長調 Op.99, D 898
(ピアノ、ヴァイオリンとヴィオラのための版) (V/P1)
録音:1921年10-11月
初出:Vocalion D-02050 & D-02060 (matrices:02585, 02538, 02586X & 02587)
トマス・ダンヒル (1877-1946):ピアノ、ヴァイオリンとヴィオラのための幻想的三重奏曲 (V/P2)
録音:1920年5月 初出:Vocalion R-6027 (matrix:01777)
フックス (1847-1927):ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 (V)
録音:1921年1月 初出:Vocalion D-02019 (matrix:02177)
グリーグ (1843-1907)/ライオネル・ターティス 編曲:
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 (ヴィオラとピアノのための版) (P1)
録音:1923年6月 初出:Vocalion D-02104, D-02106 & D-02112 (matrice:03272/77)
ブラームス (1833-1897):ヴィオラとピアノのためのソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120 No.1 (P1)
録音:1924年5月 初出:Vocalion X-9463, X-9464 & K-05117 (matrice:03524/29)
クライスラー (1875-1962)/ライオネル・ターティス 編曲:
ラ・シャス (狩猟)、カルティエの様式による (ヴィオラとピアノのための版) (P2)
録音:1920年12月 初出:Vocalion R-6007 (matrix:02112)
ルイ13世の歌、クープランの様式による (ヴィオラとピアノのための版) (P2)
録音:1920年12月 初出:Vocalion R-6111 (matrix:02115)
フォーレ (1845-1924)/ライオネル・ターティス 編曲:エレジー (ヴィオラとピアノのための版) (P1)
録音:1921年11月 初出:Vocalion K-05144 (matrix:02592)

[CD2]
トッド・ボイド/ライオネル・ターティス 編曲:サモアの子守歌 (ヴィオラとピアノのための版) P2)
録音:1920年12月 初出:Vocalion R-6033 (matrix:02122)
ベンジャミン・デイル (1885-1943):ヴィオラとピアノのためのロマンス (P2)
録音:1920年1月 初出:Vocalion D-02067 (matrix:01617)
ジョン・ブラックウッド・マキュアン (1868-1948):Breath o' June (ヴィオラとピアノのための) (P2)
録音:1920年1月 初出:Vocalion D-02006 (matrix:01613)
アイアランド (1879-1962):聖なる少年 (ヴィオラとピアノのための) (P1)
録音:1921年11月 初出:Vocalion K-05144 (matrix:03300)
J・S・バッハ (1685-1750)/ライオネル・ターティス 編曲:シャコンヌ (ヴィオラ版)
録音:1924年11月25日 初出:Columbia 67071-D/72-D (matrice:AX 755/58)
コルンゴルト (1897-1957)/ライオネル・ターティス 編曲:
劇付随音楽「空騒ぎ」より ホーンパイプ (ヴィオラとピアノのための版)
録音:データ不明 未発売 (matrix:T 1709 4a)
ドホナーニ (1877-1960)/ライオネル・ターティス 編曲:
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 嬰ハ短調 Op.21 (ヴィオラとピアノのための版) (P2)
録音:1925年11月25日 初出:Columbia L 1731/32 (matrice:WAX 116o/63)
ライオネル・ターティス (1876-1975):昨日の夕べ [Hier au soir] (ヴィオラのための)
録音:1925年12月9日 初出:Columbia L 1761 (matrix:WAX 1199)
ヨゼフ・スルツァー (1850-1926)/ライオネル・ターティス 編曲:
サラバンド (G線上のアリア) (ヴィオラとピアノのための版) (P?)
録音:1926年5月21日 初出:Columbia D 1554 (matrix:WA 3286)
シューベルト/ライオネル・ターティス 編曲:
あなたは安らぎ (君はわが憩い) (ヴィオラとピアノのための版) (P?)
録音:1927年6月17日 原盤:Columbia D 1647 (matrix:WA 5703)
ディーリアス (1862-1934)/ライオネル・ターティス 編曲:
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番 (ヴィオラとピアノのための版) (P3)
録音:1929年10月7日 初出:Columbia 67762-D (matrix:WAX 5196)
クライスラー (1875-1962)/ライオネル・ターティス 編曲:
前奏曲とアレグロ (ヴィオラとピアノのための版) (P1)
録音:1930年12月8日 初出:Columbia DB 855 (matrix:WA 10960)
J・S・バッハ/ライオネル・ターティス 編曲:来たれ、甘き死よ (ヴィオラとピアノのための版) (P?)
録音:1947年8月22日 初出:HMV C 3619 (matrix:2EA 12132)

[CD3]
ヘンデル (1685-1759)/ヨハン・ハルヴォルセン (1864-1935) 編曲:
パッサカリア (ヴァイオリンとヴィオラのための版) (V/P1)
録音:1929年5月27日 初出:Columbia L 2364 (matrix:WAX 4947/48)
伝承曲/ライオネル・ターティス 編曲:
ラメント (アイルランド古謡) (ヴィオラとピアノのための版) (P1)
録音:1930年12月8日 初出:Columbia DB 396 (matrix:WA 10959)
メンデルスゾーン (1809-1847)/ライオネル・ターティス 編曲:
ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重奏曲 第2番 ハ短調 Op.66
(ピアノ、ヴァイオリンとヴィオラのための版) (V/P4)
録音:1925年12月9日 初出:Columbia 67212-D/15-D (matrice:WAX 119o/97)
モーツァルト (1756-1791)/ライオネル・ターティス 編曲:
ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重奏曲 第5番 ホ長調 K.542
(ピアノ、ヴァイオリンとヴィオラのための版) (カット有り) (V/P4)
録音:1929年3月25日 未発売 (matrice:WA 8747/48)
モーツァルト:ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 (V/O)
録音:1933年4月30日 初出:Columbia DX 478/81 (matrice:CAX 6824/31)

【演奏】
ライオネル・ターティス (ヴィオラ)
アルバート・サモンズ (ヴァイオリン (V))
エスル・ホブデイ (ピアノ (P1))
フランク・セントレジャー (ピアノ (P2))
ジョージ・リーヴズ (ピアノ (P3))
ウィリアム・マードック (ピアノ (P4))
伴奏者不明 (ピアノ (P?))
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (O)
ハミルトン・ハーティ (指揮 (O))

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2020年08月28日 18:00