創始者クレメンス・クラウスとウィーン・フィルによる1954年「ニューイヤー」全曲ライヴがUHQCD化!
New! 2021年8月8日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました。
「劇性と優雅さ 往時の楽都の粋」音楽評論家 鈴木淳史氏評
これぞ「ニューイヤー・コンサート」のルーツ、元祖となる音源!
創始者クレメンス・クラウスとウィーン・フィルによる、「ニューイヤー」全曲録音の最初にしてクラウス最後の「ニューイヤー」、世界初出音盤のマスターからCD化なる!
しかも高音質UHQCDで!
ウィーンで新年を祝う音楽会、"黄金の間"と称されるムジークフェラインザールで開かれる、ウィーン・フィルの「ニューイヤー・コンサート」はいまや全世界に実況中継されるなどしてすっかりおなじみですが、この「ニューイヤー・コンサート」の創始者こそウィーンが生んだ名指揮者クレメンス・クラウス(1893-1954)。
1939年の大みそかに原型となる演奏会を指揮したのが最初で、1941年からは元旦の演奏会が恒例となり、クラウスは連合軍に指揮を止められていた46年と47年を除き、54年まで、「ニューイヤー」の指揮台に上り続けました。その彼が亡くなる4か月前、最初の全曲録音にして最後の「ニューイヤー」となったライヴ公演の記録であります。
「天体の音楽」、「春の声」、「美しく青きドナウ」等おなじみのワルツではこの上なく優雅に、かつ上品に指揮してウィーン・フィルの美音を引き出し、十八番の「とんぼ」では空中に漂い舞うとんぼを他にはみられないほど巧みに描写しています。「休暇旅行で」、「ハンガリー万歳」、「狩り」等アップテンポのポルカでは英デッカ/ロンドン録音ではきけないほど生命力豊かにキレキレに演奏!カルロス・クライバーも顔負けの猛スピードぶりです。
ポルカ作品のうち5曲をアンコール演奏している、最後にアンコール演奏される「ラデツキー行進曲」では今日のような手拍子がないなど、当時の演奏記録としても貴重。ファンならずともたまらない魅力充実のCDとなっております。
今回の音源は、1989年に日本のMUSENKURANZ(ミューゼンクランツ)というレーベルから世界初出音盤(LP)として発売されていました。このLPの盤おこしでOpus蔵が2004年にCDを発売(OPK-7006/7)。じつはMUSENKURANZはエピタグラフ・レーベルの主宰者がおこした自主制作LPのレーベルでかつて主宰者がクレメンス・クラウス・アーカイヴより入手、ラジオ中継収録の放送原盤から作られた音源であることが判明、今回、このLPのマスターテープがついにCD化されます!
元日11時より開催された「ニューイヤー」。実況中継番組収録のため曲間での猛烈盛大な拍手や曲目紹介のアナウンスが入りますが、当時の様子を伝えて貴重。臨場感も抜群です。完全全曲収録のライヴ!「ムジークフェラインから、クレメンス・クラウス指揮のウィーン・フィルで、ノイヤールスコンツェルト(ニューイヤー・コンサート)をお届けしました」旨の最後のアナウンスもカットすることなく、本CDに収録しています。
今回は"高音質CDの決定版"であるUHQCDで発売!
(キングインターナショナル)
【曲目】
[DISC 1] 第1部
ヨーゼフ・シュトラウス:
・剣と琴(ワルツ)
・ルドルフスハイムの人々(ポルカ)
・とんぼ(ポルカ)
・休暇旅行で(ポルカ)*
ヨハン・シュトラウス2世:
・わが家で(ワルツ)
・新ピツィカート・ポルカ*
・ハンガリー万歳(ポルカ)*
[DISC 2] 第2部
ヨーゼフ・シュトラウス:
・天体の音楽(ワルツ)
・5月の喜び(ポルカ)
・おしゃべりなかわいい口(ポルカ)*
ヨハン・シュトラウス2世:
・クラップフェンの森で(ポルカ)
・春の声(ワルツ)
・狩りのポルカ*
・常動曲
・美しく青きドナウ(ワルツ)
ヨハン・シュトラウス1世:
・ラデツキー行進曲
*はアンコールも収録
【演奏】
クレメンス・クラウス(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1954年1月1日
ムジークフェラインザール(楽友協会大ホール)、ウィーン(ライヴ)
Produced by Epitagraph(原盤:エピタグラフ)