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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.126

ホレス・パーラン『アス・スリー』(1960)

HP

ホレス・パーラン(p)
ジョージ・タッカー(b)
アル・ヘアウッド(ds)

1960年4月20日、ニュージャージーにて録音

曲目:
01.アス・スリー
02.アイ・ウォント・トゥ・ビー・ラヴド
03.カム・レイン・オア・カム・シャイン
04.ウェイディン
05.ザ・レディ・イズ・ア・トランプ
06.ウォーキン
07.リターン・エンゲージメント

【アルバム紹介】
1.じっくり聴くと渋い、独特のプレイが特徴のブルーノート・ピアニスト
2.自身のオリジナルとスタンダード・チューンをピアノ・トリオ編成で聴かせる
3.出色のオリジナル曲“アス・スリー”

ブルーノート・レーベルのピアニストはホレス・シルヴァーの他にもう一人“ホレス”の名の名ピアニストがいます。それが今回ご紹介するホレス・パーランです。

ファンキー・ピアニストとして名を馳せたシルヴァーに対し、パーランはやや地味な存在ですが、じっくり聴くと渋い、独特のプレイが特徴のスタイルであることがわかります。そんな1枚がこの『アス・スリー』です。

パーランは1960年にブルーノート・レーベルでリーダー・デビュー作をリリースし、同年計4枚のアルバムをレコーディングしており、当時レーベルではかなり期待された新人だったのでは、と想像できます。本作はデビュー作に次ぐアルバムで、自身のオリジナルとスタンダード・チューンを織り交ぜ、ピアノ・トリオ編成で聴かせる内容になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
パーラン出色のオリジナル曲“アス・スリー”。

ホレス・パーランは幼少の時にポリオを患い、右手が不自由だったと言われていますが、そのハンデを克服すべく独特の奏法で自身のスタイルを確立したピアニストです。左右両手を駆使したリズム面での魅力をこの曲の演奏で知ることができます。
曲はベースのソロでじわっとスタートしますが、やがてピアノ、ドラムスがフリーな雰囲気で加わり、スインギーな4ビートが始まると、クール&ブルージーなテーマが提示されます。このテーマ・メロディは非常に短く、シンプルなもので、いつのまにかパーランのピアノ・ソロに移り、そこで真骨頂が発揮されます。繰り出されるフレーズが徐々に、リズミカルになってゆき、2分50秒ぐらいから3分15秒ぐらいにかけての躍動的なプレイをぜひ聴いてほしいです。
なお、余談ですが、本作のタイトルと同名のヒップホップ・ジャズ・グループUS3(アススリー)が90年代にハービー・ハンコックのブルーノート時代の名曲”カンタロープ・アイランド”をサンプリングして大ヒットしています。もちろん彼らのグループ名は本作がその由来となってつけられたものです。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年04月30日 10:00