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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.130

ウェイン・ショーター『スピーク・ノー・イーヴル』(1966)

WS

ウェイン・ショーター(ts)
フレディ・ハバード(tp)
ハービー・ハンコック(p)
ロン・カーター(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1964年12月24日、ニュージャージーにて録音

曲目(LP盤発売時):
01.ウィッチ・ハント
02.フィー・フィ・フォ・ファム
03.ダンス・カダヴェラス
04.スピーク・ノー・イーヴル
05.インファント・アイズ
06.ワイルド・フラワー

【アルバム紹介】
1.60年代、マイルスのクインテット加入後のブルーノート・レーベルでのソロ・リーダー作
2.全曲自身のオリジナル、その曲調はハードバップとモード・ジャズがミックス
3.フレディ・ハバード、ハービー・ハンコックら強力メンバー参加

60年代のマイルス・デイヴィスの黄金のクインテットのメンバーだったピアニストのハービー・ハンコックがマイルスとジョン・コルトレーンのトリビュートを行ったライヴ盤を前回は紹介いたしました。
今回紹介するのはそのマイルス・クインテットのテナー・サックス奏者であったウェイン・ショーターが60年代にブルーノート・レーベルに残した傑作です。

本作がレコーディングされた1964年はウェイン・ショーターがマイルスのクインテットに参加した年で、同年9月にベルリンでライヴ・レコーディングされたマイルスのライヴ盤『マイルス・イン・ベルリン』の約2か月後のクリスマス・イヴのスタジオ・セッションがそのこのアルバムになります。

収録曲はすべてウェイン自身のオリジナルで、テナー奏者だけでなくコンポーザーとしての才能も発揮しており、その曲調はハードバップとモード・ジャズがミックスした当時としてはかなり斬新な楽曲だったと思われます。

メンバーも強力な面々がそろっており、トランペットのフレディ・ハバード、ピアノのハービー・ハンコック、ベースのロン・カーター、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズによるクインテット編成です。なお、この時ハービーとロンはウェインと同じくマイルス・クインテットのメンバー、エルヴィンはコルトレーン・カルテットのメンバーでした。この後70年代になると、ウェイン、フレディ、ハービー、ロンの4人はドラムスのトニー・ウィリアムスとともにV.S.O.P.クインテットで活動することになります。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ハードバップの香りも漂うウェインの名曲“スピーク・ノー・イーヴル”

ウェイン・ショーターの60年代以降のオリジナル曲は独特の浮遊感あふれるハーモニーと、どこか幻想的なメロディラインが特徴ですが、この曲は明快なハードバップ寄りのサウンドに聴こえつつも、コード進行の展開がモード・ジャズ特有のダークな雰囲気を醸し出しています。
イントロもなく始まり、2管によるテーマ・メロディがスインギーなビートに乗って曲をスタートさせます。最初のソロはウェインですが、一音一音に意味をもたせるようにプレイする様が印象的です。続いてトランペット・ソロ、ピアノ・ソロと進行してゆき、テーマに回帰。エンディングはなく闇に消えてゆくようにフェイド・アウト。
60年代のジャズがメロディ、ハーモニーのどちらの面においても最も成熟したサウンドをここでは聴くことができます。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

 

国内盤UHQCD

 

輸入盤CD

 

輸入盤LP

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年05月28日 10:00