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フリッツ・クライスラー著『塹壕の四週間 あるヴァイオリニストの従軍記 』が新訳で登場!

クライスラー/塹壕の四週間

伝説のヴァイオリニストによる名著復活!
偉大な人格と情緒豊かな音楽に結びついた極限の従軍体験を読み解く。

はたしてこの従軍体験と彼の音楽との間に一体なんらかのの繋がりはあるのだろうか。
なにがヴァイオリニストとしてのキャリアを危機に晒してまで彼に従軍を促したのか。
この体験によって彼の音楽は変化したのか。
それはこれを読み、彼の演奏を聴く一人ひとりが考えるしかない。
(「序文 本書の背景」より)

20世紀の名ヴァイオリニスト、作曲家のフリッツ・クライスラーが著した第一次大戦の従軍記『塹壕の四週間』が実に約80年ぶりとなる新訳で登場します。

「愛の喜び」「愛の悲しみ」の作曲家クライスラーは1875年ウィーン生れ。少年時代はヴァイオリニストとともに、医者や職業軍人も志し、それぞれ専門の勉強をして、最終的にヴァイオリンを選び、世界的な成功を収めました。軍人としては1901年に予備役中尉に任じられましたが、1914年の第一次世界大戦の勃発により召集令状が届き、39歳の世界的名ヴァイオリニストは約60人の小隊を率いてレンベルク会戦に参加し、ロシア軍と戦いました。彼が重傷を負って軍務を離れるまでを描いたのが、この『塹壕の四週間』で、第一次大戦中の1915年にアメリカで発表され、世界的な話題となりました。

これを読むと、19世紀生れで、中世的な騎士道精神に憧れを持っていたクライスラーが、実際の戦闘を通じて、部下の死やその親の悲しみ、持久戦中に敵兵に対して抱いた不思議な感情などを体験し、徐々に心境が変化してゆくさまが読み取れます。そして、除隊後のクライスラーはヴァイオリン演奏による慈善活動に力を注いでゆくこととなります。

レコード好きの私は、除隊後のクライスラーの初録音は何かを調べてみました。

それは1915年1月4日、米ニュージャージー州キャムデンで録音されたバッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043。

ヴァイオリンの共演相手はエフレム・ジンバリスト(米俳優エフレム・ジンバリストJrの父)。つい数ヶ月前までレンベルクで戦ったロシア人のヴァイオリニストです!

この録音は、クライスラーとジンバリストという当時の2大名手が共演した録音としてつとに有名ですが、おそらくはクライスラーがある意図をもって録音したことに初めて気付きました。

『塹壕の四週間』、クラシック音楽好き必読です!
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

【収録内容】
まえがき 本書の背景

第一章 従軍
第二章 緒戦
第三章 レンベルクの戦い
あとがき 中庸の天才―クライスラーの藝術と生涯をめぐって

クライスラー

クライスラーの従軍前後の録音が聴けるCDです!
ジンバリストとのバッハ/2台のヴァイオリンのための協奏曲も収録!!

『ビクター・トーキング・マシン・カンパニー、ロンドン 1914年-1916年』
【曲目】
1. ヘンデル(1685-1759):オンブラ・マイ・フ
2. ゲルトナー(1862-1918):ウィーンにて
3. メンデルスゾーン(1809-1847):無言歌集より「5月の風」Op.62-1
4. ハイドン(1732-1809):神よ、皇帝フランツを守り給え
5. ドヴォルザーク(1841-1904):ソナチネ Op.100より「インディアン・ラメント」
6-8. J.S.バッハ(1685-1750):2台のヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043
9. ゲルトナー:ウィーンにて
10. メンデルスゾーン:無言歌集より「5月の風」Op.62-1
11. ハイドン:神よ、皇帝フランツを守り給え
12-13. ドヴォルザーク:スラブ舞曲 Op.46-2 ト短調/Op.72-2 ホ短調
14. ネヴィン(1862-1901):ロザリー
15. シャミナード(1857-1944):スペイン風セレナーデ
16. クライスラー(1875-1962):中国の太鼓 Op.3
17. ショパン(1810-1849):マズルカ イ短調 Op.67-4
18. チャイコフスキー(1840-1893):ハプサールの想い出より「言葉のないシャンソン」Op.2-3
19. J.S.バッハ:パルティータ 第3番 ホ長調より 第3楽章 BWV1006
20. ゴドフスキー(1870-1938):12の印象より 第11番「ウィーン」
<ボーナス・トラック>
21. ネヴィン:まるでばらのように
22. トスティ(1846-1916):セレナータ
23. トマ(1811-1896):ミニョンより「君よ知るや南の国」
24. ドヴォルザーク:ユモレスク
【演奏】
フリッツ・クライスラー(vn,p…24)
カール・ラムソン(p)…1-3.9-20
ヴィンセント・オブライエン(p)…5
エフレム・ジンバリスト(第2vn)…6-8
ストリング・カルテット…6-8
ジェラルディン・ファーラー(s)…21-23
スタジオ・オーケストラ…21-23
ワルター・B・ロジャーズ(指揮)…6-8,21-23
【録音】
1914年1月19日...1-4
1914年3月31日...5
1915年1月4日...6-8
1915年2月25日...9-13
1915年4月22日...14-16
1915年4月23日...17
1916年1月8日...18-20
1915年5月24日…21-23
1914年3月31日…24
*ウォード・マーストン復刻

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 書籍

掲載: 2021年07月06日 00:00