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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.143

ハンク・モブレー『ソウル・ステーション』(1960)

HM

ハンク・モブレー(ts)
ウィントン・ケリー(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・ブレイキー(ds)

1960年2月7日録音

曲目:
01.リメンバー
02.ジス・アイ・ディグ・オブ・ユー
03.ディグ・ディス
04.スプリット・フィーリンズ
05.ソウル・ステーション
06.イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー

【アルバム紹介】
1.自身のオリジナル楽曲も秀逸な名テナー・サックス奏者ハンク・モブレー
2.非常に落ち着きのある安定したプレイ・スタイルが特徴
3.ピアノのウィントン・ケリーらを配したワン・ホーン・カルテットで聴かせる

今回もテナーマンの名盤を紹介します。
前回のベニー・ゴルソンは作曲にも長けたテナー奏者でしたが、このハンク・モブレーもその一人で、ブルーノート・レーベルに数多くリーダー作を残しており、本作を前後してのリーダー・アルバムもほぼ自身のオリジナル楽曲をメインにしており、作曲にも力を入れていたことを伺わせます。

モブレーは非常に落ち着きのある安定したプレイ・スタイルが特徴であり、ハードなブロウを聴かせるタイプではないため、やや地味なプレイヤーと思われているところがあります。ですが見方を変えれば、どんなメンバーとも合わせられるニュートラルなトーンを持っているということが、この時代に活躍した優れたテナーマンの一人と言われる所以です。

本作は、最初と最後の曲はスタンダードで、他は自身のオリジナル曲で構成され、ワン・ホーン・カルテットの編成で聴かせるモブレイの魅力を十分に堪能できる傑作です。
メンバーはピアノのウィントン・ケリー、そしてリズム・セクションはポール・チェンバース&アート・ブレイキーの鉄壁の顔ぶれが揃っており、クオリティの高いセッションを展開しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
スタンダード名演“リメンバー”。

モブレーの4曲のオリジナルも秀逸ですが、ワン・ホーン・カルテットでの演奏ゆえ、モブレーのテナーの名プレイが前面に出た、1曲目のスタンダード名演を聴いてみてください。
この曲は、クリスマスの定番曲“ホワイト・クリスマス”の他、“ブルー・スカイズ”、“オールウェイズ”といったスタンダード名曲を数々世に送り出したアービング・バーリン作曲のナンバーとして有名です。
過去にジャズ・ヴォーカルで歌われる際はバラード系のアレンジで聴かせることが多かった曲ですが、モブレーのここでの演奏は比較的アップテンポなスイングビートのアレンジになっており、どこ爽やかな印象を感じさせる快演になっています。
季節も9月になり、少しだけ温度も下がってきたように感じる日々の中で秋の予感を感じながら聴くにはいいアルバムだと、そんな風に思える一枚です。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年09月03日 10:00