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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.179

ジョニー・グリフィン『JG』(1958)

JG

ジョニー・グリフィン(ts)
ジュニア・マンス(p)
ウィルバー・ウェア(b)
バディ・スミス(ds)

1956年、シカゴ録音

曲目:
01.アイ・クライド・フォー・ユー
02.サテン・ラップ
03.イエスタデイズ
04.リフ・ラフ
05.ビー・イーズ
06.ザ・ボーイ・ネクスト・ドア
07.ジーズ・フーリッシュ・シングス
08.ロリーポップ

【アルバム紹介】
1.シカゴ出身のハードバップ系テナーマンによる最初期の傑作
2.同郷のメンバーが揃ったワン・ホーン・カルテット編成
3.スタンダード曲がメイン、オリジナルも収録、どの曲も演奏時間がほぼ3分台

前回はテナー・サックス奏者のスタン・ゲッツのアルバムでしたが、続きまして同じくテナーマンの名盤を紹介してゆきます。
シカゴ出身でハードバップ全盛期にブルーノート、リヴァーサイド、プレスティッジといった主要ジャズ・レーベルで数々のリーダー・アルバムをリリースした名テナー、ジョニ―・グリフィンの傑作です。

本作は1956年に、出身地のシカゴが拠点のアーゴ・レーベルでレコーディングされたもので、ブルーノートでの第1作『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』と同年の録音になります。ところが後者の方が先の発売となり、本作は2年後の1958年のリリースゆえ、リーダーとしてのデビュー盤はブルーノート盤ということになっています。

編成はワン・ホーン・カルテットの編成で、メンバーはピアノにジュニア・マンス、ベースにウィルバー・ウェア、ドラムスにバディ・スミスという、シカゴ系のミュージシャンを揃えた明快なハードバップ・テイストな内容です。取り上げている楽曲はスタンダード曲がメインとなっており、グリフィン(2、5、8曲目)、ウェア(4曲目)のオリジナルも収録されています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
爽快なスイング感あふれる“アイ・クライド・フォー・ユー”。

この曲は1923に書かれた当時のヒット・ナンバーで、その後、ジャズ・オーケストラはじめ、ビング・クロスビーら名シンガーの歌唱等で数多くのカヴァーを生み、ジャズ・スタンダード曲として知られている1曲です。
ジョニー・グリフィンはこの曲を非常にリラックスした、爽快なスイング感あふれる演奏で聴かせています。
軽やかなジュニア・マンスのピアノのイントロに導かれて、グリフィンのテナーが歌心たっぷりのブロウで、テーマを演奏してゆきます。ソロに入る前のブレイクで、ちょっとだけ本気モードになる瞬間がその後に続くソロの絶品ぶりを予感させます。やがてピアノへとソロが渡され、テーマ回帰はフルのメロディー・ラインを辿らずエンディングをむかえ、シンプルに曲を終えます。
時間数にして3分半ぐらいの演奏ですが、本作は他の曲も1曲2分台がある以外、3分台になっており、どの曲も小粒の中にハードバップの美味しい要素をしっかり詰め込んだ演奏が魅力になっています。
この時、ジョニ―・グリフィンは28歳ぐらい。初々しい中にもその完成されたプレイ・スタイルが存分に味わえるアルバムです。

国内盤CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年05月20日 10:00