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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.186

フィル・ウッズ『アライヴ・アンド・ウェル・イン・パリス』(1968)

PW

フィル・ウッズ(as)
ジョルジュ・グルンツ(p)
アンリ・テキシェ(b)
ダニエル・ユメール(ds)

1968年11月14,15日パリにて録音

曲目:
01.若かりし日
02.アライヴ・アンド・ウェル
03.フリーダム・ジャズ・ダンス
04.ストールン・モーメンツ
05.ドキシー

【アルバム紹介】
1.パーカー派アルト・サックス奏者フィル・ウッズ・ミーツ・ユーロ・ジャズ
2.欧州実力派メンバーたちとのワン・ホーン・カルテット
3.前半は渾身のオリジナル、後半はモダン・ジャズ期のスタンダードで構成

毎度のようにモダン・ジャズのアルト・サックス奏者はバードことチャーリー・パーカーに追従したスタイルを身に着けているとお伝えしていますが、このフィル・ウッズも例外ではありません。
淀みない、快活なブロウはずば抜けた表現力があり、今回紹介するアルバムもそんなところが随所に出たホットな演奏が詰まっています。

本作は例えて言うなら“パリのアメリカ人的な一枚”で、フィル・ウッズがヨーロッパのジャズ・シーンの名手たちと共演した“時代の音を感じさせる”意欲的なアルバムです。

ピアノにはスイス人のジョルジュ・グルンツ、ベースにはフランス人のアンリ・テキシェ、ドラムスにはスイス人のダニエル・ユメールという実力派たちとのワン・ホーン・カルテットでの演奏です。
楽曲は前半2曲はフィル・ウッズの渾身のオリジナル、後半3曲はモダン・ジャズ期のレジェンドたちのオリジナル=今やスタンダード・ナンバーとなった楽曲揃いです。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
激しくスイング・ダンス“フリーダム・ジャズ・ダンス”。

本音を言えば1曲目の14分にわたる、故ロバート・ケネディに捧げたというフィル・ウッズのオリジナル“若かりし日”を挙げるべきなのですが、長尺ゆえ、それは別にアルバムを聴くうえでじっくり聴いてほしいです。ここではファンキーなサックス奏者エディ・ハリスのオリジナルである“フリーダム・ジャズ・ダンス”を取り上げることにしました。本作の前年にカヴァーしたマイルス・デイヴィスのヴァージョンでも有名な1曲です。
激しく揺れるスイング・ダンス・ビートの上を、フィル・ウッズの熱いブロウが駆け抜ける名演であり、独創的なジョルジュ・グルンツのピアノ・ソロを経て登場するダニエル・ユメールのドラム・ソロはエルヴィン・ジョーンズが乗り移ったか、と思われる圧巻の展開を聴かせます。高揚感漂う中、テーマ回帰となり、嵐のような演奏は最後の一音までビシッと決めてくれます。
本作はアルバムを通して、60年代後半ハードバップ通過後のモード、フリーなどの要素を巻き込み、そこにホットなアメリカン・ジャズ・テイストと、どこか格式高いヨーロッパ・ジャズ独特の解釈がマッチングした最高の一枚です。
ちなみに有名な話ですが、フィル・ウッズはロック/ポップス系のレコーディング・セッションにも時折参加し、その代表的なトラックがビリー・ジョエルのヒット曲“素顔のままで”。そこでの間奏のサックス・ソロは見事な歌わせ方で聴かせるアルトの魅力全開の名演になっています。

国内盤CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年07月08日 10:00