ドゥース・メモワールによるデュ・ベレーの詩にもとづくルネサンス期の作曲家たちの作品集!『ユリスのごとく旅する者の幸せよ』
[Doulce Mémoire 公式チャンネルより]
早世の詩聖デュ・ベレーがルネサンス期の作曲家たちに与えた音楽的霊感に迫る、Alphaならではの好企画!
フランス・ルネサンスの詩人といえば、同時代の作曲家たちの他ラヴェルやプーランクなど近代作曲家たちもその詩に作曲したピエール・ド・ロンサール(1524-1585)が有名ですが、このロンサールと交流を持ち、知識人の文語だったラテン語ではなくフランス語で詩作した7人の重要詩人たちが「プレイヤッド(すばる=七星に例えた同時代の優れた詩人7人)」と呼ばれ、文学史では重視されてきました。
中でも早くからロンサールと知遇を得ていたジョアシャン・デュ・ベレー(1522-1560)は、1549年に『フランス語の擁護と顕揚』を著しラテン語に劣らぬフランス語の洗練と重要性を説きつつ、美しい詩作の魅力で宮廷人たちに高く評価されました。作品は音楽家たちにも注目され、フランドル楽派のアルカデルトやラッススら音楽史上名高い重要作曲家が曲をつけた例も少なくありません。
フランス中部トゥールを拠点に、古楽研究と筋の通った演奏実践を続けるドゥース・メモワールは今回、デュ・ベレーの詩にもとづく多様な同時代作曲家たちの作品を厳選。詩句の味わいを活かしながら抜群の古楽歌唱を聴かせる声楽陣、素朴にして妖艶な音色が美しい古楽器奏者たちが織りなす多様な編成で、詩の洗練を大前提とした16世紀フランス声楽の美の真相に迫ります。ア・カペラ編成でも独唱でも歌われる多声シャンソンや器楽演奏に加え、古楽器の伴奏に乗せフランス語ラップ界の俊才クワルが端正に聴かせるデュ・ベレー作品の朗読も絶美。文学的洗練の音声的側面を、世界的古楽グループの入念なプログラムで堪能できるAlphaならではの充実盤に仕上がっています。
(ナクソス・ジャパン)
『ユリスのごとく旅する者の幸せよ』 ~フランスの詩聖ジョアシャン・ド・ベレーと16世紀の作曲家たち~
【曲目】
1. ディディエ・ル・ブラン(生歿年不詳、1575-1585頃活躍): 誰が言葉を貸してくれよう
2. クワル(朗読):ユリスのごとく旅する者の幸せよ
3. ジャック・アルカデルト(1507-1568):わたしが恋をしていた頃
4. アルカデルト: わたしが恋をしていた頃(器楽による演奏)
5. オルランドゥス・ラッスス(1532-1594):寒く暗い夜が
6. ラッスス: おお弱き心よ、そんなに傷を負って
7. ル・ブラン: 見た目だけはノミや絵筆で取り繕えようが
8. ニコラ・ゴンベール(1495-1556): 羨望を越えて(器楽による演奏)
9. アルカデルト: わが貴婦人よ、もしあなたがご自身ばかりを
10. コルネーユ・ド・モンフォール(1530-1610):わが貴婦人よ、もしあなたがご自身ばかりを
作曲者不詳(ピエール・アテニャン〔1494-1551〕編): ブランル(器楽による演奏)
ジャン・シャルダヴォワーヌ(1538-1580):わが貴婦人よ、もしあなたがご自身ばかりを
11. アルカデルト: この心地良き月に
12. アルカデルト: この心地良き月に(器楽による演奏)
13. ニコラ(詳細不詳、1558年の曲集より):この心地良き月に
14. コルネリス・フェルドンク(1563-1625):ただひとり、物思いに沈み
15. クワル(朗読): わたしに夜が短く、昼はあまりにも長く感じる
16. ジャン・ド・カストロ(1540-1611):わたしに夜が短く、昼はあまりにも長く感じる
17. フェルドンク: 美徳に貫かれた人間は豊かである
18. 作曲者不詳(アテニャン編):パヴァーヌ(器楽による演奏)
19. アントワーヌ・ド・ベルトラン(1540-1581):この目が潤うのは
20. クワル(朗読):足取りは重く、俯きがちに
21. カストロ: ごきげんよう、どうかこの死せる季節に負けず
22. アルカデルト: この上ない幸運に、わたしが恵まれようという時に
23. クレマン・ジャヌカン(1485-1558):かけがえなく高貴な樹を見たいなら
24. アルカデルト: 隠し切れません、お慕いする気持ちを
25. アルカデルト: その古きこと、天地創造まで遡るほど
【演奏】
ドゥース・メモワール(古楽器&声楽アンサンブル)
クワル(朗読)…2、15、20
カミーユ・フリッチュ(ソプラノ)
オリヴィエ・コワフェ(アルト=カウンターテナー)
ユーグ・プリマール、フランソワ=オリヴィエ・ジャン(テノール)
マルク・ビュネル(バス)
フローラン・マリー(8コース・リュート、4コース・ルネサンスギター)
バティスト・ロマン(ルネサンス・ヴァイオリン、リラ・ダ・ブラッチョ)
セバスティアン・ヴォネール(ルネサンス・スピネット)
ドゥニ・レザン・ダドル(アルト&テノール・リコーダー、指揮)
【録音】
2022年1月、ジャン・リュルサ現代タピスリー美術館、アンジェ(フランス)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年07月29日 00:00