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宇野功芳監修によるアーベントロートのCDベスト5、最新リマスターで復活!『アーベントロート不滅の遺産』(5枚組)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2022年08月19日 14:00

アーベントロート

凄まじい情熱!
ついに原音でよみがえったドイツの巨匠!
宇野功芳監修によるアーベントロートのCDベスト5、
最新リマスターで復活!

ヘルマン・アーベントロートはフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュと同世代のドイツの巨匠指揮者。旧東ドイツのライプツィヒを拠点に活躍していたため、西側にとっては"幻"の指揮者でしたが、ドイツ・シャルプラッテンと契約した徳間音工が"幻"の音源を発掘、1974年にLPシリーズで発売、「悲愴」「第九」「ブラ3」「ハイドンV字」等、宇野功芳の推薦紹介とあいまって、レコード業界に大反響をまきおこしました。2008年にはキングレコードが宇野功芳に監修を依頼、LPで20枚分ある音源の中から推薦演奏のみ厳選し、CD5点を発売。ベストセラーを記録しています(「アーベントロートの芸術」KICC-701~5)。
廃盤になって久しいアーベントロート不滅の遺産CD5枚がセットとなってキングインターナショナルから登場!2トラック、38㎝/秒速のアナログ・マスターテープより、キング関口台スタジオでデジタル・リマスタリングをおこない、音にいっそう磨きをかけて発売します。巨匠の内奥にまで迫ったアナログ本来の音再現にご注目ください。ブックレットは宇野功芳の“熱烈"解説(22,000字)を転載します。

宇野功芳(ブックレット解説より)
「アーベントロートはワルターより7つ、シューリヒトより3つ年下であり、クレンペラーより2つ、フルトヴェングラーより3つ年上である。ゲヴァントハウス管弦楽団ではワルターの後任、コンヴィチュニーの前任であった。まさに大指揮者の時代の輝かしい一人である。第2次大戦後、東ドイツを拠点としたため、レコード発売が遅れてしまったわけだが、現在残された20点の演奏は、そのほとんどが名演であり、わけてもヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキーなど、実にすばらしい。録音も含めて僕がとくに推賞したいのはハイドンの「第88番」とチャイコフスキーの「悲愴」であり、つづいてヘンデルの「二重協奏曲」、ハイドンの「第97番」、モーツァルトの「ジュピター」、同じく「ディヴェルティメントK205」、ベートーヴェンの「第9」における前半の2つの楽章、ブラームスの「第3」も絶品だ。また録音がやや古いのを我慢すれば、ブラームスの「第1」やチャイコフスキーの「第4」も絶対に聴き逃せない。このシリーズはいずれも1949年から56年にかけて行われた放送用の録音で、一回限りの演奏であるため、流れに血が通っているのも大きな特長である。」(1989年記)

アーベントロート
【参考】前回CDのアートワーク(キング KICC703、2008年8月発売)

KKC4303/7 (5CD)
モノラル
国内製造品
日本語帯・解説付(解説:宇野功芳)

【CD 1】
ベートーヴェン: 交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
ライプツィヒ放送交響楽団
エディット・ラウクス(ソプラノ)/ディアナ・オイストラティ(アルト)/
ルートヴィヒ・ズートハウス(テノール)/カール・パウル(バス)/
ライプツィヒ放送合唱団/ライプツィヒ音楽大学合唱団
録音:1951 年6月29日(a)
【CD 2】
ブラームス:
交響曲 第1番 ハ短調 Op.68
交響曲 第3番 ヘ短調 Op.90 *
ライプツィヒ放送交響楽団
録音:1949年10月20日(a) / 1952 年3月17日(c) *
【CD3】
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」
ライプツィヒ放送交響楽団
録音:1952 年1月28日(a)
【CD 4】
モーツァルト:
交響曲 第41番 ハ長調 KV 551「ジュピター」
ディヴェルティメント 第7番 ニ長調 KV 205
セレナード 第8番 ニ長調 K.286「ノットゥルノ」*
ライプツィヒ放送交響楽団/ベルリン放送交響楽団*
録音:1956 年3月26日(a) / 1956 年4月12日(b) *
【CD 5】
ハイドン:
交響曲 第88番 ト長調「V字」
交響曲 第97番 ハ長調*
ヘンデル:
管弦楽のための二重協奏曲 第3番 ヘ長調*
ライプツィヒ放送交響楽団/ベルリン放送交響楽団*
録音:1956 年(a) / 1955 年9月15日(b) *

(a)ライプツィヒ放送局 SRK ホール
(b)ベルリン放送局 SRK ホール
(c)ライプツィヒ・コングレスハーレ
原盤:ドイツ・シャルプラッテン

ヘルマン・アーベントロート(指揮)

アーベントロート
【参考】初出LPのアートワーク(徳間 ET1502~3、1974年5月発売)

宇野功芳(ブックレット解説より)
★アーベントロートの「第九」について
アーベントロートの「第九」には二つの有名な録音がある。一つはベルリン放送交響楽団を振った1950年ライヴ、もう一つがこのライプツィヒ放送交響楽団を振った51年の放送録音である。両者の演奏間隔は半年しか開いていないので、当然スタイルは似ているが、51年盤の方が音質が良く、形の崩れも少ない。50年盤は音が荒れている上、えげつないほど表情が過激で、やはり聴衆の有無が演奏に影響をあたえており、どちらを採るかは好みに任せるしかあるまい。そうはいっても51年盤の第3楽章の超スロー・テンポ、終楽章の極端に自由なテンポはアーベントロートならではだが、50年の徹底した迫真ライヴに比すると、今一つ吹っ切れなさが残り、ぼくは最初の二つの楽章を採りたい。
第1楽章は当時としてはかなり早いテンポを基調に、自然な動きを伴って進められるが、その造型といい、意味深いひびきといい、有機的な迫力といい、どこにもいやなところがなく、まずは理想的な第1楽章の一つといえよう。冒頭の弦の動機の強さ、意志的な行進リズム、第2テーマのスムーズなテンポ変化、展開部のフーガにおける緊迫した前進性など、実に見事な巨匠芸だ。再現部冒頭など、意識的に抑制したフルトヴェングラーよりもはるかに凄絶だし、コーダも十二分に満足できる。第2楽章も速いテンポで阿修羅のようなものすごい迫力を聴かせ、ここでもフルトヴェングラーを凌ぐ部分が多い。これは大したことなのだ。(以下略)

★ブラームス「第3」の演奏について
アーベントロートはブラームスの交響曲を3曲録音しており、いずれも凄まじい気迫と、大きなテンポの変転を伴ったロマンティックな情緒が際立った名演であるが、それらの中でいちばん安心して聴けるのは、この「第3」であろう。録音が優れているだけでなく、表現も最も自然だからである。
第1楽章は冒頭から激しい気迫に溢れており、一気呵成の寄り身を見せる。テンポは他の誰よりも速いが、12小節から大きくリタルダンドをかけ、15小節で再び速めてゆく。この動きはブルーノ・ワルターの表現とそっくりである。第2主題は神秘的な思い入れがなく、音楽の流れを最優先させているが、こうしたトスカニーニ流の良さも全曲を通じてしばしば現われる。テーマの終りの部分には味の濃いリタルダンドがあり、展開部冒頭のものすごい緊迫感を伴ったテンポの煽り方はフルトヴェングラーに次ぐ。このようにアーベントロートの表現には当時の他の大指揮者たちのスタイルが渾然と融け合って現われ、同じブラームスでも「第4」あたりになるとメンゲルベルクのような様式化されたテンポの動きさえ表現する。しかし彼の場合、それらが決して真似事ではなく、むしろ彼等の良い面だけを集約して持っている趣さえあり、まことに興味が尽きない。再現部直前のクレッシェンド、コーダ冒頭の激烈さなども、指揮者のデモーニッシュな血の騒ぎがオーケス
トラに乗り移った瞬間であり、まさに巨匠ならではの芸といえるだろう。(以下略)

★チャイコフスキーの「悲愴」について
アーベントロートの20点におよぶレコードの中でベスト・ワンを挙げよ、といわれたら、僕は躊躇なくハイドンの「第88番」かチャイコフスキーの「悲愴」を選ぶだろう。ハイドンの方は他の大指揮者たちのレコードを大きく上廻り、チャイコフスキーはメンゲルベルクやムラヴィンスキーに匹敵する。超名演は中間の2つの楽章だ。第2楽章アレグロ・コン・グラツィアの主題の美しさはどうだろう。チェロがアーベントロートの指揮棒に魅せられたのかのように歌う。揺れるように歌う。カンタービレとリズミックな進行の巧みな交代は、名人芸であるとともに、それを超えた驚くべき音楽性の勝利である。むせかえるような情緒も最高だし、中間部に向うリタルダンドも実に自然で間が良い。(以下略)

★モーツァルトの演奏について
このCDに収められたモーツァルト3曲は、いずれもアーベントロートの晩年の放送録音である。聴衆こそ居ないが、一発勝負の連続演奏であり、通常のスタジオ録音とは次元の違う高みに到達しているのも当然といえよう。(中略)僕はアーベントロートの演奏がことごとく《主観的》という意見には賛成しかねる。なるほどチャイコフスキーの「悲愴」やベートーヴェンの「第九」は主観的である。前者のフィナーレなど、おどろくほどであるが、そんな彼がこの「ジュピター」では微動だにせぬイン・テンポを守り、《客観的》な演奏を成就しているのだ。問題はその両方がすばらしいということである。チャイコフスキーのように大きくテンポを崩し、劇的な起伏を強くあたえながら、しかも人工的に陥らず、絶大な効果を挙げるのもむずかしいが、モーツァルトのようにイン・テンポで押してゆき、少しも無味乾燥にならず、強い感動をあたえるのは、それ以上に至難な業である。桁はずれな表現力を持つアーベントロートが、チャイコフスキーのような演奏を示し得るのは、あえていえば当然であるが、「ジュピター」の表現は才能を鍛えに鍛えていった結果、獲得されたものにちがいない。すなわち晩年のアーベントロートにとって、いかなる表現も自由自在だった。演奏の奥義をきわめていたからである。

★ハイドンの演奏について
アーベントロートのディスクからベスト2を選ぶとすれば、順不同で、このハイドンの2曲とチャイコフスキーの「悲愴」が挙げられるだろう。いや、彼の最高傑作であるばかりか、すべての同曲レコード中、ベスト・ワンに推したい。とくに「第88番」はフルトヴェングラー、ワルター、クレンペラー、クナッパーツブッシュ、バーンスタインなどを大きく引き離したダントツのトップなのである。
ヘルマン・アーベントロートは、1956年5月29日、73歳の生涯を閉じたドイツの名指揮者だが、このハイドンは彼の死の年の放送録音であり、音質も良く、まさに人類の持つ至宝といえよう。「第88番」はハイドンの交響曲の中では地味な存在だが、内容の充実していることでは屈指であり、その魅力を100パーセント伝えているのがアーベントロート盤なのだ。(以下略))