フィンランドを代表する作曲家カレヴィ・アホ:リコーダー、テナー・サクソフォーン、アコーディオンのための協奏的作品集(SACDハイブリッド)
現代フィンランドを代表する作曲家
カレヴィ・アホの協奏的作品集!
リコーダー、テナー・サクソフォーン、アコーディオンを主役にした協奏的作品は、ほとんどなく、ごくまれにしか作られていないようです。
フィンランドの作曲家カレヴィ・アホは、大胆なことに挑む器楽奏者たちと出会う機会が多く、彼らの楽器と演奏から刺激を受け、「まれ」な楽器の協奏曲をさまざまに手がけてきました。
《リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲》は、1楽章の作品です。「ミステリオーゾ」に始まり最後の〈コーダ〉まで、テンポがさまざまに変化。バス・リコーダーからソプラニーノまで、ソリストが4種類のリコーダーを持ち替え、「リコーダーの黄金時代へのフラッシュバック」といわれるヴィルトゥオーゾ的要素のある音楽を展開していきます。2021年9月3日、エーロ・サウナマキのソロ、エルッキ・ラソンパロ指揮のサイマー・シンフォニエッタによって初演されました。
《テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲》も1楽章で書かれています。「メスト(悲しげに)- 間奏I - ヴィヴァチッシモ、レッジェーロ(勢いよく、軽く)- 間奏II - アンダンテ、ドレンテ(歩くような速さで、痛ましげに)- アレグロ・リトミコ(やや速くリズミカルに)- カデンツァ - エピローグ」。テナー・サクソフォーンの潜在能力がフルに探られ、オーケストラには東洋のゴブレット・ドラム「ダラブッカ」も使われています。2016年3月10日に行われた初演のソリスト、エサ・ピエティラが、この録音セッションに参加しました。
《アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(Sonata concertante)》は、ヤンネ・ヴァルケアヨキの提案により、1984年の《アコーディオン・ソナタ第1番》を改作した作品です。「(モルト・ルバートの)前奏曲-パッサカリア」と「(レッジェーロの)前奏曲-(アンダンテ-ピウ・モッソ-レッジェーロの)フーガ」の2つの楽章で構成され、フランツ・リストの超絶技巧的作品に劣らない驚異的技巧が求められています。2021年7月8日、ヴァルケアヨキがソロを弾き、ラソンパロが聖ミケル弦楽オーケストラを指揮してミッケリで初演されました。
(キングインターナショナル)
【曲目】
カレヴィ・アホ(1949-):
1.リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲(2020)
2.テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲(2015)
3.アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(1984/2019)
【演奏】
エーロ・サウナマキ(リコーダー)[1]
エサ・ピエティラ(テナー・サクソフォーン)[2]
ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)[3]
サイマー・シンフォニエッタ
エルッキ・ラソンパロ(指揮)
楽器:
Sopranino recorder in F: Küng (model: Superio)
Eagle alto recorder in F: Adriana Breukink
Alto recorder in F: Thomas M. Prescott/Nikolaj Ronimus
Bass recorder in F: Yamaha moder YRB-61
Tenor saxophone: Selmer MK VI 1958
Accordion: Pigini Nòva, No.97
【録音】
2022年4月19~22日、9月19&20日、ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール(ミッケリ、フィンランド)
制作:マルティン・ナゴルニ
録音エンジニア:クリスティアン・シュタルケ
DSD
5.0 Surround sound
マルチチャンネル
BIS ecopak
71'33
[プロフィール]
《エーロ・サウナマキ》
ヘルシンキ芸術大学のシベリウス・アカデミーでリコーダーとサクソフォーンを学び、修士号を取得しました。ダン・ラウリンやクロード・ドラングルのマスタークラスに参加。フィンランド放送交響楽団のリコーダー・ソリスト、室内楽奏者として演奏活動を行い、フィンランドとヨーロッパの作曲家の40 曲を超す作品を初演しました。シベリウス・アカデミーでリコーダーを教え、「衛兵バンド(Kaartin soittokunta)」のプレーヤーを務めています。
《エサ・ピエティラ》
フィンランドのサクソフォーン奏者、作曲家。シベリウス・アカデミーのジャズ学部でサクソフォーンと作曲を学び、アメリカで私的に勉強をつづけました。「エサ・ピエタラ・トリオ」と「リバティ・シップ・カルテット」のリーダー。ジャンルを越えた活動を行い、エサ=ペッカ・サロネンやサントゥ=マティアス・ロウヴァリをはじめとする指揮者とも共演してきました。
《ヤンネ・ヴァルケアヨキ》
フィンランドのアコーディオン奏者、指揮者。シベリウス・アカデミーとヴュルツブルク音楽大学で学びました。現代音楽に深くかかわり、マグヌス・リンドベリ、カレヴィ・アホ、アウリス・サッリネンたちのソロ作品と協奏曲の初演に携わってきました。マグヌス・リンドベリの『アコーディオンのための作品集』(Neos)が代表的録音です。
《サイマー・シンフォニエッタ》
聖ミケル弦楽オーケストラ(ミッケリ市管弦楽団)とラッペーンランタ市管弦楽団という室内オーケストラ規模のアンサンブルふたつのコラボレーションにより、2006 年にスタートしたオーケストラです。年に4 回、編成の大きい管弦楽作品を演奏するコンサートをミッケリとラッペーンランタで行うようになりました。2023年にはオスカル・メリカントの歌劇《Elinan surma(エリナの死)》を演奏。このカレヴィ・アホのアルバムが初めての商用録音です。
《エルッキ・ラソンパロ》
2007年にヨルマ・パヌラに招かれて指揮を学びました。シベリウス・アカデミーのヴァイオリン・クラスとレイフ・セーゲルスタムの指揮クラスに参加。アカデミーを最優等で卒業、ヴァイオリニストとしてキャリアをスタートさせました。この時に加わったポスティリオーネ弦楽四重奏団のメンバーとしての活動を今もつづけ、フィンランドのオーケストラとオペラ・カンパニー、ヨーテボリ交響楽団、アイスランド交響楽団、シンフォニエッタ・クラコヴィアなど客演して評価されました。聖ミケル弦楽オーケストラの首席指揮者とラッペーンランタ市管弦楽団の芸術監督、タピオラとヴィヴォのユース・オーケストラの首席指揮者を務めています。
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)
掲載: 2023年07月20日 00:00