リッカルド・ミナージ&アンサンブル・レゾナンツによるモーツァルト:交響曲第36番「リンツ」&第38番「プラハ」
衝撃的なモーツァルト体験!
鬼才ミナージの独創的な解釈を見事に音化する
アンサンブル・レゾナンツ高度な技巧と表現力!
注目の新譜は「リンツ」と「プラハ」
苛烈なまでの表現力と推進力で聴き手を興奮の渦に巻き込んだリッカルド・ミナージ&アンサンブル・レゾナンツによる「モーツァルト:三大交響曲集」(HMM-902629 / KKC-6161)から3 年。その続編となる録音がついにリリースされます!今作では、後期三大交響曲の前に連なる交響曲第36 番「リンツ」と第38 番「プラハ」を取り上げています。
交響曲第36 番「リンツ」は、1783 年10 月から11 月にかけてオーストリアの都市リンツに滞在していたモーツァルトが、予約演奏会のためにわずか4日という短期間で書き上げたというエピソードで知られる作品。短期間で書き上げたとは思えない充実した内容で、の天才モーツァルトの速筆ぶりを示す交響曲として取り上げられる機会も多い交響曲です。モーツァルトの交響曲ではじめて冒頭に緩やかな序奏が配置され、その後の輝かしく生き生きとした主題を盛り上げています。
交響曲第38 番「プラハ」は、1786 年のプラハでの「フィガロの結婚」上演の大成功した翌年、招待を受け初めてプラハを訪れたモーツァルトが当地で初演した交響曲です。メヌエット楽章を欠く、3 楽章形式である理由は判明していませんが、当時大流行した「フィガロの結婚」の旋律を散りばめた構成は、プラハの聴衆たちを大いに喜ばせました。大成功を収めたコンサートの後、モーツァルトは「人生において最も幸せな日」と語ったと伝えられています。
リッカルド・ミナージは、自身が優れたバロック・ヴァイオリン奏者であり、ムジカ・アンティクァ・ローマやイル・ポモ・ドーロといったピリオド楽器アンサンブルでは自らヴァイオリンを取って指揮することが多かったのですが、2017 年、ハンブルクを拠点とし自主的な活動を行う室内オーケストラ、アンサンブル・レゾナンツのアーティスト・イン・レジデンスに就任して以降、このアンサンブルとの共演ではほぼ指揮に徹しているようです(現在では首席客演指揮者に就任しています)。全世界から先鋭的なアーティストが集まると呼ばれる芸術の街ハンブルクにおいて、1994 年に創設され、モダン楽器を用いながらさまざまな時代の演奏スタイルを柔軟に取り入れ、古典から前衛的作品までを弾きこなし、最も独創的と評されるまでになったアンサンブル・レゾナンツは、リッカルド・ミナージの指揮の下、より先鋭性を増し、世界の音楽シーンで圧倒的な存在感を持つようになりました。学究性と感性が融合するミナージの独創的な解釈を見事に音にする高度な技巧と表現力を有しています。
後期三大交響曲の演奏も、嵐のようなすさまじさが大きな話題となりましたが、続編となるこのアルバムでも、そのすさまじさは健在で、より凄みを増しているような印象さえ受けます。アルバムの冒頭、「リンツ」の序奏と第1主題から、エネルギー全開の圧倒的な演奏が繰り広げられます。張り詰めた空気を持つ緩徐楽章の濃密さも聴きものです。弦楽器の鋭い刻みや、金管楽器の強奏、ティンパニの強烈な打撃が、すさまじい音の渦と化しています。この有名な2つの交響曲を初めて聴くかのようにハッとさせられる瞬間が連続して訪れる、かなり攻めた解釈ですが、ぎりぎりのところでバランスを保ち、曲の構造を保つミナージの手腕は驚異的で、ミナージの解釈を見事に音にするアンサンブル・レゾナンツの高度な技術も脱帽ものです。リッカルド・ミナージとアンサンブル・レゾナン
ツの圧巻の演奏がもたらす衝撃的なモーツァルト体験をお聴き逃しなく!
(キングインターナショナル)
DDD
71'56
[国内仕様盤は日本語帯・解説付き]
DDD
71'56
【曲目】
モーツァルト:
交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」
交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」
【演奏】
リッカルド・ミナージ(指揮)
アンサンブル・レゾナンツ
【録音】
2021年9月、オトマールシェン・キリスト教会(ハンブルク)
セッション録音
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年08月23日 00:00