WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.245
アイク・ケベック『ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート』(1980)
アイク・ケベック(ts)
アール・ヴァン・ダイク(org)
ウィリー・ジョーンズ(g)
サム・ジョーンズ(b) on Track1~5
ウィルバート・ホーガン(ds)
1962年2月5日、2月13日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.ハウ・ロング・ハズ・ジス・ビーン・ゴーイング・オン
02.ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート
03.イマジネーション
04.ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ
05.ゼア・イズ・ノー・グレーター・ラヴ
06.オール・オブ・ミー
07.インターメッツォ
08.バット・ノット・フォー・ミー
09.オール・ザ・ウェイ
【アルバム紹介】
1.ブルーノート・レーベルでの発掘シリーズBNLTでの一枚
2.ジュークボックス用にレコーディングされた45回転シングル盤セッション集
3.オルガンに、モータウン・レーベルで活躍するアール・ヴァン・ダイクが参加
テナー・サックス奏者が活躍する隠れ名盤、今回はブルーノート・レーベルの発掘シリーズとしてリリースされたアイク・ケベックの逸品を紹介いたします。
1979年当時、買収によりEMI~キャピトル傘下だったブルーノート・レーベルの発掘シリーズBNLTからの本作は、アイク・ケベックによるジュークボックス用にレコーディングされた45回転シングル盤セッションを集めたものです。
発売されたのは1980年ですが、レコーディングは1962年の音源になります。ムーディーでスロウな演奏が多く、まったりとしたケベックのテナー・サックスが満喫できます。
取り上げている曲はスタンダードがメインとなっており、メンバーにはオルガンに、この後モータウン・レーベルでファンク・ブラザーズとして活躍するアール・ヴァン・ダイクが参加しているところが特筆すべき点です。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
スロウバラードで聴かせる名スタンダード“オール・ザ・ウェイ”。
この曲は作曲がジミー・ヴァン・ヒューゼン、作詞がサミー・カーンによる名スタンダード曲であり、フランク・シナトラが歌ってヒットしたナンバーです。
雰囲気たっぷりのオルガンのイントロを経て、ケベックのテナー・サックスがリラックスしつつも情感豊かにテーマ・メロディーを歌わせてゆきます。途中ギター、オルガンの間奏を挟みますが、シングル盤用のレコーディングを意識してのことか、特に長々としたソロもなく進行し、エンディングを迎えます。どこかの街の酒場でジュークボックスから流れるこの演奏を想像して聴いてみると時代の空気が伝わってきそうです。
アイク・ケベックは50年代に不遇の時代を経て、60年代にカムバックしてブルーノート・レーベルにリーダー作を残しており、ハードバップ、ボサノヴァ、ソウルジャズといった多彩な音楽性を見せましたが、1963年に肺がんのため、44歳の若さで亡くなりました。
国内盤CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2023年09月15日 10:00