ハンスイェルク・アルブレヒトが弾く『オルガン編曲によるブルックナーの交響曲全集』第10弾は交響曲第9番(4楽章版)!
注目盤!ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガンで弾くブルックナー、今作は第9番(4楽章版)の登場。
2024年のブルックナー生誕200周年のための記念企画、指揮者クリスティアン・ティーレマンの後援のもとに進められたオルガン版ブルックナー交響曲全集も遂に第9番に到達。シリーズで毎回異なるオルガンを使用してきたアルブレヒト、今作ではブルックナーが1880年にスイスのチューリヒで演奏を行ったことにちなみ、同市のフラウミュンスター教会のオルガンを演奏しています。
未完で終わったブルックナーの交響曲第9番は、彼が完成させた第3楽章で曲を閉じるか、ブルックナーが示唆したとされる「テ・デウム」を演奏する、もしくは後世の人が補筆した第4楽章を演奏するなどの選択肢があります。アルブレヒトはが採択したのは、指揮者、オルガニストでブルックナーの交響曲全集の録音も行った経験を持つゲルト・シャラー(1965-)による再構築版でした。シャラーは様々な異稿版を含む交響曲だけでなく、ミサ曲や詩編、そしてブルックナーのオルガン作品の全てを録音しているという、いわばアルブレヒトの先達的存在。シャラー自身による全4楽章のオルガン編曲版も存在しますが、アルブレヒトは第1楽章から第3楽章まではこれまでにも親しんできたエルヴィン・ホルンによるオルガン編曲版を演奏し、シャラーによる編曲版の使用は第4楽章のみとなっています。このシリーズでおなじみの「ブルックナー・フェンスター=ブルックナーの窓」と称するブルックナーの音楽にインスピレーションを得た新作は、フィリツプ・マインツの「コラール前奏曲第8番」を収録。深い闇の中でうねるような旋律の中に時折垣間見える印象的なコラール、そして曲が最高潮に達した際、ミサ曲ニ短調(交響曲第9番の第3楽章に引用された)の旋律を暗示するかのような稲妻のように大きなクラスターが襲い掛かるという、このアルバムにふさわしい作品です。
(ナクソス・ジャパン)
『アントン・ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集 Vol. 9』
【曲目】
【CD1】
1.ブルックナー:レクイエム - リベラ・メ WAB 22 (1854)
(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
2. フィリップ・マインツ(1977-):コラール前奏曲第8番
「Aus tiefer Not schrei ich zu dir 深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる」(2021/23)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調WAB109 - ゲルト・シャラーによるフィナーレの再構築版(2019)
3. I. Feierlich, misterioso
4. II. Scherzo. Bewegt, lebhaft - Trio. Schnell
【CD2】
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調WAB109(続き)
1. III. Adagio. Langsam, feierlich
2. IV. Finale
第1-第3楽章…エルヴィン・ホルンによるオルガン版
第4楽章…ゲルト・シャラーによるオルガン版
ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)
録音:2023年11月12-16日
チューリヒ フラウミュンスター教会(スイス)
総収録時間:101分
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ANTON BRUCKNER
掲載: 2024年01月26日 18:00