WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.262
ハービー・ハンコック『テイキン・オフ』(1962)
ハービー・ハンコック(p)
フレディ・ハバード(tp)
デクスター・ゴードン(ts)
ブッチ・ウォーレン(b)
ビリー・ヒギンズ(ds)
1962年5月28日録音
曲目(LP初出時):
01.ウォーターメロン・マン
02.スリー・バッグス・フル
03.エンプティ・ポケッツ
04.ザ・メイズ
05.ドリフティン
06.アローン・アンド・アイ
【アルバム紹介】
1.ハービー・ハンコックのブルーノートでの初リーダー作
2.代表曲“ウォーターメロン・マン”収録
3.参加メンバーも強力で申し分ない顔ぶれ
今回からクインテット編成(トランペット、サックス、ピアノ、ベース、ドラムス)の名盤でその魅力を伝えてゆこうと思います。
最初の一枚はピアニスト、ハービー・ハンコックのブルーノートでの初リーダー作を取り上げます。
ハービー・ハンコックは出発点はジャズ・ピアニストですが、後々にファンク、ヒップホップ、ダンス・ミュージックなど多彩なジャンルで活躍するようになってゆき、“カメレオン”の異名を持つにいたります。本作はそんなキャリアの最初の初々しささえ感じさせる正攻法のハードバップ・サウンドを聴かせる逸品です。
ソロ・デビューの最初の一枚ながら、全曲本人のオリジナルという、作曲能力に非凡なものを持っていたことがわかります。1曲目に収録されている代表曲の“ウォーターメロン・マン”はブルーノート・レーベルのヒット曲としてよく知られているナンバーです。
参加メンバーはトランペットのフレディ・ハバード、テナー・サックスにデクスター・ゴードン、ベースにブッチ・ウォーレン、ドラムスにビリー・ヒギンズと、強力で申し分ない顔ぶれがそろっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ファンキーな“ウォーターメロン・マン”。
シカゴで生まれたハービー・ハンコックは、子供の頃にそこにやって来るスイカ売りのことが印象に残っていて、そのインスピレーションを曲にしたのがこの“ウォーターメロン・マン”です。
ジャズ・ロック調の8ビートはスイカ売りがガタゴト言いながら車を引いてくるところを表現しており、テーマ・メロディはスイカ売りに向かって窓から「おーい、スイカ屋さん!」と呼びかける女性の声を模したものになっています。
曲はメインのリフによる短いイントロで始まり、トランペットとテナー・サックスのユニゾンによって印象的なテーマ「おーい、スイカ屋さん!」が奏でられます。テーマ提示後は最初はトランペットのソロ、続いてテナー・サックス・ソロ、そしてハンコックのピアノ・ソロへと移ってゆき、やがてテーマが再現され、最後はフェイド・アウトで曲を終えてゆきます。
この曲はアルバムからシングル・カットされて広く聴かれるようになり、アルバム発表の翌年にはパーカッション奏者のモンゴ・サンタマリアがカヴァーしたラテン・ヴァージョンが大ヒットして、より認知度は高まりました。
ハンコック自身も1973年にブラック・ファンクのグループ、ヘッドハンターズを率いた際、この曲をセルフカヴァーしています。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2024年02月02日 10:00