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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.265

デューク・ジョーダン『フライト・トゥ・ジョーダン』(1961)

DJ

デューク・ジョーダン(p)
ディジー・リース(tp)
スタンリー・タレンタイン(ts)
レジー・ワークマン(b)
アート・テイラー(ds)

1960年8月4日、ニュージャージーにて録音

曲目(LP初発売時):
01.フライト・トゥ・ジョーダン
02.スターブライト
03.スクォーキン'
04.ディーコン・ジョー
05.スプリット・クイック
06.シ・ジョヤ (『危険な関係』のテーマ)

【アルバム紹介】
1.ピアニストのデューク・ジョーダンのブルーノート・レーベルでの唯一のリーダー・アルバム
2.フロント2管をおいたクインテット編成によるハードバップ・サウンド
3.名曲“『危険な関係』のテーマ”別バージョン収録

クインテット編成の名盤、今回はピアニストのデューク・ジョーダンのブルーノート・レーベルでの唯一のリーダー・アルバムを取り上げます。

端正なタッチのピアノで知られるデューク・ジョーダンは1940年代後半にチャーリー・パーカーのクインテットのレギュラー・メンバーとして活躍し、有名なダイアル・セッションにも参加しています。
50年代に入るとソロ活動に移り、自身が作曲した“ジョードゥ”は天才トランペッターのクリフォード・ブラウンのレパートリーとなってその後スタンダード化した1曲になりました。またフランス映画の『危険な関係』の音楽を担当するなど、コンポーザーとしての才能も開花させました。

本作は2管をフロントにおいたクインテット編成によるハードバップ・サウンドが光る快作で、メンバーはトランペットにディジー・リース、テナー・サックスにスタンリー・タレンタイン、ベースにレジー・ワークマン、ドラムスにアート・テイラーという実力派の顔ぶれがそろっています。
楽曲はすべてデューク・ジョーダンのオリジナルになります。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
名曲“『危険な関係』のテーマ”別バージョン“シ・ジョヤ”。

デューク・ジョーダンの代表曲の一つである“『危険な関係』のテーマ”。この演奏はその別バージョンゆえ、ちょっとだけメロディの流れが違っています。本人のピアノ・トリオの傑作と言われる1974年のアルバム『フライト・トゥ・デンマーク』の中での演奏でも馴染みの深い1曲がここではクインテットの編成で堂々たるハードバップ・テイストで披露されています。
シンバルの短いイントロのあと、トランペットがテーマ・メロディを哀愁美たっぷりに奏でます。テーマ提示後、まずはテナー・サックスのソロが始まります。続いてトランペット・ソロに移り、次いでデューク・ジョーダンのピアノ・ソロになります。シングル・トーンで明確に鳴らしながら進行してゆき、やがて、テーマに回帰し、フェイド・アウトでエンディングとなります。
デューク・ジョーダンは70年代以降のレコーディングではトリオ編成がメインになってゆきますので、本作のようなクインテットでの妙味が楽しめるアルバムは珍しくもあります。決して派手な演奏ではないですが、ブルーノート・レーベルらしいジャズが感じられる一枚です。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年03月01日 10:00