『激ロック』スペシャルコーナー【8月レコメンドアイテム】
DARK TRANQUILLITY / 『Endtime Signals』
GENRE : MELODIC DEATH METAL
メロデスの重鎮、DARK TRANQUILLITY
終末の世界に闇の慟哭とひと筋の光を放つ最新作!
これまでバンドが築き上げてきた音楽性と似て非なる、心機一転と言うべきサウンドを展開している本作。まず感じられるのは攻撃性の増加で、7thアルバム『Character』を彷彿させる暴力的なファスト・ナンバーや、モダンで鋭利なリフで攻め立てる楽曲等は近作とはまた異なる新鮮みがあるし、Johan Reinholdzによる技巧的なギター・ソロも随所で光っている。一方でメロディックな側面も凄みを増していて、荘厳な光が降り注ぐようなTrack.3や、80年代メタルのヴァイブスを融合したTrack.10などはユニークだ。中でも、ストリングスを従えたバラードのTrack.6は白眉。名作揃いのディスコグラフィに、またしてもマスターピースが加わった。
菅谷 透【ライター推薦】
NOTHING MORE / 『Carnal』
GENRE : HARD ROCK, ALTERNATIVE METAL
独特な哲学でヘヴィ・ミュージックの伝統と
モダン・サウンドを繋ぐNOTHING MORE最新作!
ハード・ロックの伝統を引き継ぎつつ、モダンなヘヴィ・サウンドを展開させてきたNOTHING MORE。前作から約1年半という短いスパンでリリースされた今作は、幅広い世代のアーティストたちから評価される彼ららしく、様々なフィーチャリング・アーティストを迎えた多彩な内容だ。ドラマチックなメロディと激情迸るシャウトが錯綜する、Eric Vanlerberghe(I PREVAIL/Vo)参加楽曲「House On Sand」、ヘヴィでノりやすいリズムに、パワフル且つ個性的なDavid Draiman(DISTURBED)のヴォーカルがマッチした「Angel Song」、その他にもエレクトロ要素を織り交ぜた新機軸の楽曲等もあり、様々な角度から楽しませてくれる。
山本 真由【ライター推薦】
BAD OMENS / 『The Death Of Peace Of Mind + Concrete Jungle [The OST]』
GENRE : POST-HARDCORE, ALTERNATIVE METAL
新世代ヘヴィ・ミュージックの代表格
BAD OMENSの今が詰まった豪華パッケージ!
2022年に発表した3rdアルバム『The Death Of Peace Of Mind』の収録曲「Just Pretend」が、2億回以上再生される等、ヘヴィ・ミュージックの枠を超えるレベルのブレイクを果たしたBAD OMENS。そんな彼らの代表作となったアルバムと、配信でリリースされた最新作品『Concrete Jungle [The Ost]』を、日本独自編成したCDが発売。アルバム本編が素晴らしいのは言うまでもないが、POPPYやERRA等豪華アーティストとのコラボや、高い演奏力が伝わってくるライヴ音源等、バンドの世界観を網羅した内容に。SNSで彼らを知ったというファンはもちろん、インダストリアル~ニューメタルを愛聴するリスナーも要チェックだ。
菅谷 透【ライター推薦】
CALLING ALL CAPTAINS / 『(E)Motion Sickness』
GENRE:POP PUNK
新旧パンク・ファンから支持されるCALLING ALL CAPTAINS
バンドの成長や創造性の豊かさを示した良作
NOFXファイナル・ツアーのカナダ公演のプレパーティーにヘッドライナーとして抜擢される等、新旧のパンク・ファンから支持される、フレッシュなパンク・バンド、CALLING ALL CAPTAINS。この新作EPでは、パッション溢れるシャウト満載の激しいナンバーが続く前半パートと、インタールードを挟んで後半は、温かいメロディが印象的なアコースティック曲、スケール感がアップしたポストパンク/エモ調のラスト・ナンバーというメリハリのある内容。1stアルバム(2021年)からイメージは変えずに、バンドの成長や創造性の豊かさを示した良作だ。派手さはないが、こういうバンドがシーンの裾野を支えているんだなと嬉しくなる。
山本 真由【ライター推薦】
SPEED / 『Only One Mode』
GENRE:HARDCORE
シドニーの5人組ハードコア・バンド SPEED
小ワザが随所にちりばめられた、センスに富んだ粒揃いの1stフル・アルバム
ニューヨーク・ハードコア・リスペクト・スタイルの骨太サウンドを鳴らす、オーストラリアはシドニーの5人組ハードコア・バンド、SPEED。今作は、そんな彼らの1stフル・アルバムとなる。アルバムの収録楽曲は、全体を通してマッチョでゴリゴリのビートダウン・ハードコアが炸裂しまくっているが、90年代風のクロスオーバーなテイストも織り交ぜつつ、単調にならない小ワザが随所にちりばめられ、センスに富んだ粒揃いの内容。非常に密度が高く安定した作品で、満足度が高い。ハードコア界隈での注目度の高さはもちろんのこと、ヘヴィ且つタフなサウンドを求める多くのロック・リスナーにとっても注目すべきアルバムだろう。
山本 真由【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2024年08月27日 13:20