Naxos~2024年11月第2回発売新譜情報(7タイトル)
CD(7タイトル)
■作品詳細
今回はオーベールの序曲集第7集に、ブラジルの作曲家クラウジオ・サントロのピアノ・ソナタ全集、ブゾーニのピアノ曲集シリーズ完結となる第13集、マスネの歌劇《エロディアード》など、世界初録音を含むCD7タイトルがリリースされます。
ダニエル=フランソワ・オーベール(1782-1871):序曲集 第7集
ダリオ・サルヴィ(指揮)ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
かつてはロッシーニやスッペ作品と肩を並べるほどの人気を誇ったオーベールの歌劇。かのチャイコフスキーも高く評価したと伝えられますが、現在では一部を除きほとんど上演されることがありません。そんなオーベールの序曲シリーズ、この第7集に収録されているのは《青銅の馬》を中心とした4作品の管弦楽曲。《青銅の馬》は魔法の世界の神秘的な力が表現されており、1857年のオペラ・バレエ版に挿入されたバレエ音楽では、エキゾチックな中国趣味を味わえます。詩的で優雅な《妖精の湖》はドイツで高く評価され、ワーグナーにも影響を与えました。彼はパリでこの作品を観ています。《マルコ・スパダ》は、完成度が高く、最後まで緊張感を湛えたヴェルディを思わせる作品です。《ジェニー・ベル》の序曲が続き、最後に置かれているのはエンゲルベルト・フンパーディンクが編曲した世界初録音となる《青銅の馬》の序曲です。オーケストレーションの違いをお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)
クラウジオ・サントロ(1919-1989):ピアノ・ソナタ全集
アレッサンドロ・サントロ(ピアノ)
ブラジル外務省主導のプロジェクト「Brasil em Concerto」は、19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽を、ブラジルのオーケストラが演奏・録音する企画です。今後は室内楽と声楽の録音も追加される予定で、多くの作品が世界初録音となります。
このアルバムは、14曲の交響曲を遺したクラウジオ・サントロのピアノ・ソナタ全曲を収録した1枚です。サントロが46年かけて作曲した6つのピアノ・ソナタは、彼の音楽的進化を記録するもの。20代前半の作品である「ソナタ 1942」は、初期の抒情的な作風によるものですが、1945年の第1番からは12音技法の使用が始まり、やがてブラジル民族主義へと発展します。第4番では、ボサノバのリズムを予感させるフレーズも登場し、晩年の第5番は彼が数十年にわたって使用してきたさまざまな表現法を総合したものです。これは初のサントロのピアノ・ソナタ全曲録音で、演奏者アレッサンドロ・サントロは作曲者の息子です。リオデジャネイロ生まれのアレッサンドロ・サントロは、チャイコフスキー音楽院でピアノを学び、その後ハーグ王立音楽院でチェンバロの修士号を取得、同音楽院の教授に就任しました。現在はサンパウロ州立音楽学校(EMESP)でチェンバロと通奏低音の教授を務めています。また、ラ・プティット・バンドや18世紀オーケストラのメンバーとしてヨーロッパ各地で演奏し、デン・ハーグ・バロック・オーケストラの創設者でもあります。1989年以来、彼は父の作品の編集と出版、およびヴァーチャル・アーカイブの管理を行っています。
(ナクソス・ジャパン)
フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924):ピアノ作品集 第13集
ヴォルフ・ハーデン(ピアノ)
2000年に録音が開始された、ヴォルフ・ハーデンによるフェルッチョ・ブゾーニのピアノ作品集最終巻であるこのアルバムには、初期と晩年という両端の作品を収録しています。初期の小品にはブゾーニが12歳の時に作曲した「前奏曲とフーガ」や、同じく10代の「メヌエット・カプリチオーソ」の他、バッハやベートーヴェンの作品を編曲したものが含まれており、原曲を尊重しつつその作りを分析して、魅力をさらに引き立てる絶妙なアレンジが楽しめます。晩年の「5部からなるピアノ練習曲集」からの抜粋には、自身が初期に作曲した作品の編曲や他の作曲家の音楽が取り入れられており、彼のピアノ演奏におけるテクニックの粋が表現されたもので、このシリーズの締めくくりとしてふさわしい内容と言えるでしょう。ヴォルフ・ハーデンの演奏は「ブゾーニ作品における現在の明確な基準」として高く評価されています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
現代アメリカの合唱作品集 - トゥリン/エインホーン/ライアンズ
フレデリカ・フォン・シュターデ(メゾ・ソプラノ)、ムジカ・ヴィーヴァ・NY合唱団&管弦楽団
このアルバムには、3曲の世界初録音となる合唱作品が収録されています。
ジョセフ・トゥリンは、ニューヨーク・フィルハーモニックやリンカーン・センターなどの著名な団体から委嘱を受ける作曲家です。彼のカンタータ「そして再び紅い薔薇は美しく咲く」は、第一次世界大戦をテーマに、戦争で戦い命を落とした人々の声を反映するために膨大な詩や手紙を調査し、選び出したテキストで構成されています。タイトルは、婚約者を戦争で失ったヴェラ・ブリテンの詩「Perhaps」の一節から取られており、この詩は名歌手フレデリカ・フォン・シュターデによって歌われています。リチャード・エインホーンは、オペラ、映画音楽、バレエ音楽など幅広いジャンルで活躍する作曲家です。彼の作品「光る大地」は、仏教哲学者ナーガールジュナの思想にインスパイアされたもので、言葉のないコーラス、弦楽器、ピアノが絡み合い、瞑想的で徐々に変化する響きを持つ音楽です。ジルダ・ライアンズは、作曲家、ヴォーカリスト、ビジュアルアーティストとして、さまざまな音楽スタイルを融合した情感豊かな作品を生み出しており、その音楽は高く評価され、数多くのレーベルからリリースされています。この「モモトンボ」は、彼女の母親の故郷であるニカラグアの火山をテーマにした合唱曲で、詩人ルベン・ダリオの詩からインスピレーションを受け、彼の詩や歴史的な資料を引用しながら永遠に存在する火山と変わりゆく人間の命の対比を描いています。
(ナクソス・ジャパン)
ジュール・マスネ:歌劇《エロディアード》(2枚組)
エンリケ・マッツォーラ(指揮)ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
リヒャルト・シュトラウスがサロメと洗礼者ヨハネを題材にしたオペラを作曲するはるか以前の1878年に、ジュール・マスネは同じ関係性を《エロディアード》で探求していました。しかし、オスカー・ワイルドが描いた残忍な側面を持つサロメとは異なり、マスネのオペラでは、復讐心に燃えるエロディアード(サロメの母)が洗礼者ジャンの首を要求し、無邪気で純真な娘サロメは主役ではありません。エロディアードは、母親であることをサロメに打ち明けられないという心理的葛藤を抱えており、夫エロド王はサロメに邪な恋愛感情を、そしてサロメはジャンに恋愛感情を抱いています。こうした感情を濃密に描いたオペラの叙情的な内面性は、当時としては非常に革新的と見なされていました。このアルバムでエロディアードを歌うのはフランスのメゾ・ソプラノ、クレマンティーヌ・マルガイーネ、エロド王をカナダのバリトン、エティエンヌ・デュプイ、サロメ役をオーストラリア出身のソプラノ、ニコール・カーが演じています。
(ナクソス・ジャパン)
エーリヒ・ J・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第3集
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(バリトン)、クラウス・ジモン(ピアノ)
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家で、シェーンベルクやツェムリンスキーと親交を結びました。彼は38歳の若さで亡くなるまでに、少なくとも168曲の歌曲を作曲し、全て存命中に発表されて高く評価されましたが、現在では演奏の機会はほとんどありません。そこでNAXOSが全曲録音をスタート。この第3集は、1909年の作品19の歌曲集で始まります。老境に達した男性が手の届かない若い女性に恋をするテーマが描かれ、春と若さを象徴する明るい調性が多く使用されており、ヴォルフの後期ロマン主義的な作風を反映しています。また、リヒャルト・デーメルの詩による「Drum sollstdu dulden, Mensch この理由から、おお、人よ」はヴォルフが書いたバリトンのための唯一の歌曲。他にはフリードリヒ・ニーチェやテオドール・シュトルムの詩を基にした作品も含まれています。特にエヴァースの詩を用いた「Steinklopfer 石を砕く人」では、労働者階級の苦しみが繊細に描かれ、音楽的にも強い印象を残します。生前、最後に出版されたヤコブゼンの詩を用いた歌曲集では印象派風の音楽が聴かれ、ペルシャの詩人ハーフィスの詩をダウマーがドイツ語に翻訳したものを基にした14曲からなる歌曲集である作品30では、東洋的な音楽表現も試みられています。これら、ヴォルフの作品は人間の感情の深淵を探求し、音楽的にも詩的にも非常に多様で奥深いものです。本作では、ハンス・クリストフ・ベーゲマンが巧みな歌唱を披露し、ブックレットに詳細な解説(ドイツ語・英語)を寄せるクラウス・ジモンが見事な伴奏を付けています。
(ナクソス・ジャパン)
エーリッヒ・ツァイスル(1905-1959):歌曲集 第2集
ミシェル・デヤング(メゾ・ソプラノ)、ジェレミー・リーガー(ピアノ)
エーリヒ・ツァイスルはウィーンのユダヤ人家庭に生まれ、幼少期から音楽の才能を示しました。14歳でウィーン音楽院に入学し、リヒャルト・シュテールらに師事、1920年代にはウィーンで作曲家として成功しましたが、1938年のドイツによるオーストリア併合によりキャリアが崩壊し、アメリカに亡命します。アメリカではハンス・アイスラーの紹介で映画音楽に携わりましたが、製作主との主張の違いなどの理由で、その才能を十分に発揮することはできなかったようです。亡命後、彼はリートの作曲をやめましたが、1940年代にはユダヤ音楽に関心を向け、ホロコースト犠牲者に捧げた「ヘブライ・レクイエム」を作曲しました。「5つの黒人霊歌」もこの時期の作品です。ウィーン時代に作曲された100曲近いリートは、夜や死、皮肉やユーモアをテーマにしたものが多く、いずれも後期ロマン主義の伝統に則った旋律豊かな作品です。ミシェル・デヤングはグラミー賞受賞経験もあるメゾ・ソプラノ。マーラーやワーグナーなどの後期ロマン派作品やバーンスタインの「エレミア」などの歌唱が高く評価されています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2024年10月23日 17:00