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インタビュー

これ まで以上にポップ! これまでになく豪華! 『Rock Steady』 を彩るサウンド・クリエイターたち

 ノー・ダウトは今回、6組のプロデューサーとの共同プロデュースという形でアル バムを制作。ダンスホール・レゲエを出発点としていたことから、ならば本場へとま ずジャマイカへ渡り、新旧のトップ・プロデューサーを訪ねた。

先行シングル“Hay Baby”と“Underneath It All”を手掛けたのは、スライ&ロビ ー。各々バウンティー・キラーとレディ・ソウという男女人気DJの地元フレイヴァー を配し、前者では重厚なベースとダビーなドラム&ループを加え、後者ではホーンを 含むバンド・サウンドを活かしたルーツ・レゲエ寄りのプロダクションを施し、ベテ ランの表現の幅広さを見せつける。片や80年代半ば以降、ダンスホールの隆盛ととも に人気を高めたスティーリー&クリーヴィーは、ドラムマシーン&キーボードによるお 得意のエレクトロな音で“Start The Fire”をスリリングに処理。この後、レゲエや ダブに根差したブリストル一派のネリー・フーパーを5曲で起用したのも自然な流れ なのだろう。

“Hella Good”では、曲を合作したネプチューンズのスペイシーなビートを活かし てダンスホール色を、“Rock Steady”はその名の通りルーツ・レゲエ色を印象付け 、“In My Head”はツートーン/スカの現代版と呼べそうな趣。どれも生楽器の音を デリケートに扱いつつベースを強調した、ミニマルな洗練性で貫かれている。また、 ネリーと並ぶ英アンビエント系職人ウィリアム・オービットも、ストリングスを導入 して繊細なダンスホールの独自解釈を披露している。

一方、本国では元カーズのリック・オケイセクに2曲を託した。メンバーはカ-ズ の大ファンで相性は申し分なく、ニューウェイヴへのオマージュが完成。そして残る 1曲はプリンス。彼の『Rave Un2 The Joy Fantastic』へグウェンがゲスト参加した お返しにと、ドラムンベースの変型リズムで大胆にアレンジし、コーラスも提供、幻 想的なハーモニーを紡ぎ出した。テイストは少し異色だが、クライマックスに心地良 い緊張感を与えている。


カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月16日 15:00

更新: 2003年03月06日 19:59

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/新谷洋子

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