インタビュー

Eminem

〈Guess Who's Back!?〉と彼は世界に語りかける。スリム・シェイディでもなく、マーシャル・マザーズでもなく、もちろんスタンでもなく……そう、帰ってきたのはエミネム。みずからの名を冠した大傑作アルバムを携えて!!


  6月4日、全世界が注目するエミネムの最新作『The Eminem Show』がいよいよリリースされる(日本盤は1日でも早く聴きたいファンのために3日リリース!)。が、彼の熱烈なファンなら、ちょうど2年前のその日に、その後のエミネムの心に消し去ることのできない傷を残すことになる事件が起きたことを覚えているだろう。

 2000年の6月4日、ミシガン州ウォーレン郊外のホット・ロックス・カフェの外で乱闘を始めたエミネムは、銃弾を装填していない銃でジョン・グエラという男を脅かし、暴行を働き、彼の妻キムともう1人を含む4人が逮捕されたのだ。あたかも、この事件を合図としたかのように、自宅でキムが自殺未遂。夏にはエミネムが離婚訴訟を起こし、それに対してキムは、彼の曲“Kim”と“'97 Bonnie & Clyde”の内容(キムが浮気してると訝ったエミネムが、詰問するうちに度が過ぎて彼女を殺めてしまい、娘ヘイリと死体を棄てに行く、という物語仕立て)に精神的なダメージを受けたと訴えた。ようやく2001年に離婚が成立したら、今度は拳銃の不法所持で逮捕、と一時はアーティスト生命も絶望視されていたが、4月に2年間の保護観察処分という判決が下され、現在に至るという、彼にとってまさに激動の2年だったのだ。

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掲載: 2002年05月30日 15:00

更新: 2003年03月03日 22:08

ソース: 『bounce』 232号(2002/5/25)

文/小林 雅明