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インタビュー

Eminem(3)

エンターテイメントですよ

 と、ここまで、『The Eminem Show』が、あたかもエミネムがみずからの私生活を暴露したアルバムであるかのような書き方をしてきたが、これまで彼をサポートしてきたリスナーなら、これはあくまでも〈ショウ〉だということぐらい気付いているはずだ。それは、深刻なフリをして実はヤラセだったりすることもある下世話なトーク・ショウだったり、ひょうきんなコメディー・ショウかも知れない。あるいは、純粋な音楽ショウなのかも知れない。

「子供たちはみんなわかってると思うんだよね、俺が言ってることをそのまんま何もかも文字どおり真に受けるべきじゃないってことぐらいは。だって、結局は単なるエンターテイメントなんだから。ああ、確かに言ってることの大半は俺の意見ではあるし、俺の根っこの部分、生い立ちから出てきたもんだよな。どういう育ち方をしてきたかってのと、いまの俺の状況そのままさ。けど、俺の歌詞の大半はユーモアにくるんであるし、リスナーを刺激したり怒らせたりもするけど……ホントのこと言って、たぶん子供らの親だってそこまで怒り狂ってるわけじゃないと思うんだ。結局はスゲエ些細なことが、メチャメチャデカく書き立てられてるだけなんじゃねえのかな」。

最後に、拙稿は決して大げさに書きたてたものではない(?)ことをお断りしておく!?


左から、エミネムの99年作『The Slim Shady LP』、2000年作『The Marshall Mathers LP』(共にAftermath/Interscope)、D12の2001年作『Devils Night』(Shady/Interscope)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月30日 15:00

更新: 2003年03月03日 22:08

ソース: 『bounce』 232号(2002/5/25)

文/小林 雅明