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インタビュー

フレッシュ・プリンス時代の作品もリイシュー! ラッパー=ウィル・スミスのアルバムを改めてチェックすべきですよ!!

DJ JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE
『Rock The House Word Up』
Jive(1987)
“Girls Ain't Nothing But Trouble”のローカル・ヒットを経て完成させたファースト・アルバム。“The Magnificent Jazzy Jeff”“A Touch Of Jazz”など、ジャジー・ジェフの超絶スキルが前面に出た曲が目立つ作り。フレッシュ・プリンスことウィル君はまだまだ添え物的?


DJ JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE
『He's The DJ, I'm The Rapper』
Jive(1988)
両名の役割分担を明確にしたタイトルどおり、ウィルのキャラクターもようやく注目されるぐらいに立ってきた。身近なサブジェクトをコミカルに表現した“Parents Just Don't Understand”が初のゴールド・ディスクを獲得し、ついでにグラミーが新設した最優秀ラップ部門まで受賞。


DJ JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE 
『And In This Corner...』
Jive(1989)
セル・アウト叩きが活発になってきたシーンに臆せず、ポップな方向性を貫徹した3作目。ウィルのストーリーテリングの魅力が存分に発揮された“I Think I Can Beat Mike Tyson”もヒットを記録。この時は後に自分がボクサー役を演じるなんて思ってもいなかっただろうけど。


DJ JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE
『Homebase』
Jive(1991)
TVドラマ「The Fresh Prince Of Bel-Air」でお茶の間の人気者となっていたウィルのスタンスを反映してか、これまで以上にポップで親しみやすい4作目。楽しいヒップ・ハウスの“Ring My Bell”や、デュオ時代最大のヒット曲に輝く“Summertime”など、大ネタのベタ使いがコアなファンには賛否両論? 


JAZZY JEFF & FRESH PRINCE
『Code Red』
Jive(1993)
デュオとしての(現時点での)ラスト・アルバムで、ジェフの関与は2曲のみ。テディ・ライリーやピート・ロック、ダラス・オースティンなど外部の売れっ子たちを大幅に起用した、実質的なウィルのソロ作品だと言えそう。人気曲“I'm Looking For The One”“Boom! Shake The Room”を収録。


JAZZY JEFF & FRESH PRINCE
『Greatest Hits』
Jive(1998)
代表曲を網羅したベスト・アルバム。ビル・ウィザース使いの未発表曲“Lovely Daze”や、ソウルショック&カーリンのリミックスによる“Summertime '98”、TV番組「The Fresh Prince Of Bel-Air」のテーマ曲なども収録したお得盤。スマートなポップ路線とジェフの技師ぶりを交互に楽しめます。


MEN IN BLACK
『Soundtrack』
Columbia(1997)
「インデペンデンス・デイ」に続く出世作で、〈俳優ウィル・スミス〉の地位を確固たるものにした大娯楽作のサントラ。パトリース・ラッシェン使いの表題曲が大ヒット(あまり知られてないけど、フックを歌ってるのはココです)。ウィルはもう1曲、“Just Cruisin'”も提供。関係ないけどアリシア・キーズの初録音も収録!


WILL SMITH
『Big Willie Style』
Columbia(1997)
俳優として大ブレイクしたから、もうラップはやらんのか?と思ってた矢先にリリースされた初のソロ・アルバム。トラック・マスターズのポーク&トーンがトータル・プロデュースにあたり、ほぼ全曲に過去の超有名曲をヒネリなしに引用している。さすがにお手軽な感じもするが、俳優の余技ではありえないMCとしての優性──リズム感と声の押し出しはやはりフレッシュ・プリンス! 明瞭なライミングなど、ミドル・スクーラーの面目躍如といった感じか。また、いくつかの曲では、(当時パフ・ダディのポップ・ラップ路線で同じくシーンを席巻していた)ノトーリアスBIGばりの口ごもったフロウも使い分けるなど、結構芸の細かいところも聴かせている。シスター・スレッジをベタ敷きした“Gettin' Jiggy Wit It”が全米ポップ・チャートを制覇したのを皮切りに、“Miami”“Just The Two Of Us”などのポップ・チューンが次々とインスタント・ヒット。もちろん相棒ジャジー・ジェフもスクラッチなどで参加し、絆の強さをアピールしている。


WILL SMITH
『Willenium』
 Columbia(2000)
主演作「Wild Wild West」のサントラから、スティーヴィー・ワンダー“I Wish”ネタの“Wild Wild West”が全米チャートを制覇した時点でおおよそ内容の予想がついたセカンド・ソロ・アルバム。しかし、クラッシュ“Rock The Casbah”を用いたアグレッシヴな“Will 2K”こそ予想どおりのポップな大ネタ大会だったものの、内容は前作を上回るスマートなヒップホップ・アルバムになっている。曲名からしてアレな“Pump Me Up”はわざわざジャジー・ジェフ&フレッシュ・プリンス名義であることを強調しての激オールド・スクール・ジャムだし、前述“Wild Wild West”でも、過去に同名曲を残しているクール・モー・ディーを〈Wild Wild West!〉の一言のためだけにフィーチャーしていたり、全般的にみずからのMCとしてのスタート地点を見つめ直した内容になっている(まあ、オールド~ミドル・スクーラーを意図的に演じてる部分も大きいのだろうが)。タッチ・オブ・ジャズ軍団でシーンを席巻しつつあったジェフの関与も当然増加。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年07月11日 15:00

更新: 2003年02月12日 14:06

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/出嶌孝次

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