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インタビュー

Lui(2)

死者に追悼を捧げる歌
「兄(東京スカパラダイスオーケストラのヴォーカリストであったクリーンヘッドギムラ。95年没。98年、Luiはそのあとを継ぐ形で同グループに加入)と曲を残しておいたらよかったなと思ったりしたんですよ」。

 B BIRD(ブルーバード)は、彼と仲間のレーベルであり、自分の作品を発表するためのレーベルでもある。Luiは今回――セッション的な趣のもの、書き貯めていた曲から選りすぐったもの――2枚のアルバムをリリースした。

「音楽ってそもそも何だろう?って考えたときに、〈死者に追悼を捧げる〉というものが、すごく大切なことだなって思って。それをシンガーとしてやりたいなと。兄が死んだときに、詩が浮かんできて止まらなかったんですね。そこから始まって、書き貯めていた曲があって……なんとか出せないかなあって」。

 その人を見ただけで何のために生まれた人なのかがわかるときがある。Luiは歌を歌うために生まれてきた人間だとしか思えない。世の中にはお金を稼ぐためや、有名になりたいために音楽をやる人がいるが、Luiは違う。結果的にそうなっても、彼は歌のために音楽をやっている。彼はそう思わせてくれる数少ないシンガーである。


Luiのヴォーカルが聴ける作品を紹介。左から、ボウリングをテーマにした98年のコンピレーション『Do The Bowling』(ラヴィンサークル)、東京スカパラダイスオーケストラの98年作『ARKESTRA』(avex trax)。ザ・ヘアー時代の音源は、残念ながら廃盤

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カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年08月01日 19:00

更新: 2003年02月10日 15:02

ソース: 『bounce』 234号(2002/7/25)

文/荏開津広

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