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インタビュー

The Distillers

ポップ&メロディックな方向へシフト・チェンジを遂げた、新作『Coral Fang』が登場だ!!


 生活/習慣/文化や、肌の色や体内に通う血は違えど、これはもう絶対に世界共通のモノだと断言できる。離婚後の男と女、どちらが凛々しく、元気か?といったら間違いなく女だ。ご存知のとおり、ランシドのティム・アームストロングと、このディスティラーズのブロディー・ドール(ヴォーカル/ギター)はかつて夫婦だった。だけど先日結婚生活にピリオドを打ち、離婚したばかり。ティムはいまだ未練タラタラ節全開の凹み状態にあるとの情報が多方面から入ってきているけど、一方のブロディーは元気に楽しくパンク・ロック・ライフを送っている!! 彼女率いるディスティラーズはニュー・アルバム『Coral Fang』を発表し、現在欧米で急激に注目度/評価を高めているのだ。ブロディーが言う。

「私にとって、結婚って聖なるものだった。だけど人間だもの、気持ちが離れてしまうことだってある。そう、結婚って簡単に考えちゃいけないのよ。だけど私はとてもラッキーよ、すぐに新しい環境で再出発が切れたから。だから今はバンドに全力投球なの」。

 その言葉を裏付けるように今、彼女自身、そしてディスティラーズが熱い!! 欧米でのツアーは全公演ソールドアウト、各国で〈ディスティラーズ旋風〉を巻き起こし、その状態を一斉に、かつ大々的に音楽メディアが報じているのだ。通算3作目になる『Coral Fang』もそれに相応しい出来を誇り、これまで以上に多くの人たちに聴いてもらえ、楽しんでももらえる作風が貫かれている。デビュー作『The Distillers』(2000年)や2作目『Sing Sing Death House』(2002年)のときは、クラスト味すら効いた相当激しいハードコア・パンクを信条としていたけど、新作では一転してヴォーカル&メロディー&楽曲オリエンテッドでヴァリエーション豊かな、これぞ! 〈ディスティラーズ風パンク・ロック〉が満喫できる。ぜひチェックしてほしい作品だ。

「サウンド・アプローチが変化したのは、ごく自然なプロセスだと思うわ。私の本能的なものでもあるだろうし、私には昔からポップでメロディックな感性も育まれていたから、それが明確に出たともいえる。アルバムの出来には凄く満足しているの」。

 年々、パンク・ロックの音楽的解釈は膨らみ、いまやその形態や表現法は数多を極める。そのなかでも〈ディスティラーズ風パンク・ロック〉はギラリと輝き、勢いを放っている。

▼ディスティラーズのアルバムを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年02月05日 17:00

更新: 2004年02月05日 18:54

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/有島 博志