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新しい学校のリーダーズはなぜ海外でブレイクした?グローバル時代に日本文化が目指すべき未来を文化批評家が説く

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和食、着物、アニメ、ゲームなど、さまざまな日本文化が海外から注目を集めている昨今。日本発のカルチャーは国外でどのように受け入れられ、またどれほどの可能性を秘めているのか。今回紹介する書籍「メイド・イン・ジャパン 日本文化を世界で売る方法」を読むと、グローバル時代において武器となり得る“日本文化の特殊性”が見えてきた。

●日本文化の海外進出に影響する3つの特殊条件

本書の著者は、文学や映画、音楽といった幅広いジャンルで批評家として活躍する佐々木敦。彼曰く、“日本”という環境には「島国であること」「日本語というマイナー言語が母語であること」「“単一民族幻想”に支配されていること」の特殊な3条件が揃っているという。

日本で生まれた日本人で、日本語を母語とする芸術家、アーティスト、クリエイターが、世界に出て行こうとするとき、すでに述べた3つの条件がさまざまな局面で立ちはだかります。 (※注)

そして多くの場合、この3条件は日本文化のグローバル化においてディスアドバンテージになる。

かつては、それでも日本から海外に活動の拠点を移そうとするならば、そこで選べる道は二通りしかありませんでした。それは「日本人であることを武器にする」か、あるいは「日本人であることをやめる」かです。 (※注)

しかし佐々木は、この既存のグローバル化ルートに対して「第3の選択肢はないのか?」と疑問を投げかける。

「日本の日本性」が前提条件であるとして、過度な日本らしさの仮装でもなければ、日本的なものの完全なる抹消でもない、3つ目の道。それはやはり「日本の日本性」を何らかの仕方で利用することになるのだと思いますが、ではどういう手段が、いかなる戦略が、そこにありうるのだろうか? (※注)

●新しい学校のリーダーズが持つ特異性

日本文化の新たな海外進出の道筋を考えるにあたり参考となるのが、これまでにグローバルレベルでヒットした日本人アーティストたちの存在だ。

具体例としては、4人組女性グループである「新しい学校のリーダーズ」が挙げられる。2017年にメジャーデビューした彼女らは、わずか3年後の2020年にアメリカのプロモーション会社と契約。海外向けに名前を「ATARASHII GAKKO!」とし、セーラー服姿でのユニークなパフォーマンスを武器に今や日本以外の国からも多くの注目を集めている。

佐々木によると新しい学校のリーダーズの海外での受け入れられ方には、過去に海外進出した日本のミュージシャンたちと異なる点があるという。それは、楽曲の歌詞に日本語を用い続けていることだ。

海外デビュー後も英語曲や英語ヴァージョンは出しておらず、使用言語は日本語のまま、日本と海外で活動スタイルを分けていません。ATARASHII GAKKO! と新しい学校のリーダーズは、名前以外はまったく同じです。向こう側に多少とも「寄せる」のではなく、彼女たちの強烈な個性と魅力が英語圏でもそのまま通用している。 (※注)

●ブレイクのカギは“セーラー服”

「日本の日本性」を武器とする新しい学校のリーダーズは、なぜグローバルに活躍できるのか。佐々木がその理由のひとつとして挙げるのが、“セーラー服”という衣装の特殊性だ。

新しい学校のリーダーズが着ているのは非常にオーソドックスな古いタイプのセーラー服のように見えます(最近はアレンジが加わってきましたが)。つまり彼女たちのセーラー服は、現在形のものというより、ある種のノスタルジーを備えています。

セーラー服というユニフォーム(=単一の形態)が醸し出す、どこか旧態依然とした、あえて強い表現を使うと奇抜なイメージが、海外での人気にもポジティヴに作用していることは確かだと思います。

清楚や貞淑といった西欧男性が日本人女性に見出しがちな属性を想起させる、色彩を欠いたモノトーンの地味な制服を着込んだ女の子4人が、見た目に反して激しく目まぐるしくダンスするさまが、海外の観客に大きなインパクトを与えたであろうことは想像に難くありません。 (※注)

新しい学校のリーダーズをはじめ、これまで多くのアーティストおよび文化人が海外の舞台へ挑戦してきた。グローバル市場を相手に日本文化がたどってきた道筋を本書で振り返れば、これからの“メイド・イン・ジャパン”が世界で目指すべき新たな方向性もおのずと見えてくるのではないだろうか。

(※注)佐々木敦「メイド・イン・ジャパン 日本文化を世界で売る方法」より引用

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2025年12月12日 15:33