コンタクト

四者四様の個性が激しく火花を散らす、行き先不明の新種ロック・バンドが登場!!

　2002年夏、Polarisの制作スタッフと出会って初レコーディング。その後、デビュー・シングル“バイオリズムep.”がリリースされるやいなや〈フジロック〉出演と、これ以上ないほどのスタートダッシュを決めたコンタクト。いよいよ完成したファースト・フル・アルバム――タイトルは『君の夢を見たんだ』。

「言葉的になんかひっかかるものがあって決めました。たとえば人に〈君の夢を見たんだ〉って言われたら〈ドキッ!〉っとしませんか（笑）。それに、夜見る夢だけじゃなくて人が頭のなかで思うことも一種の夢だとも考えられるし……そんなアルバムなんです（笑）」（清水宏敏、ヴォーカル／ギター）。

　表情豊かな楽曲と入り組んだアレンジは、一切の予定調和を感じさせないヴァラエティーに富んでいる。バンドとしての生命力、表現力が漲っている時期じゃなければ、こんなに瑞々しい作品はそうそう出てこない。

「やっぱり音楽性バラバラな4人が集まってるから、個性のぶつかり合いはすごくあります。ただ、完成したものを聴いてみると、メンバー全員が共通してカッコいいなって思えるものになってるんです」（生田目哲弥、ギター）。

「曲は断片的なアイデアから作ります。僕は変なアイデアを持って行きたがるし、期待されているとも思うから。〈こういうアイデアあるんだけど〉ってメンバーに持ってくのがすごく楽しみ。そこが、同じような曲じゃなくなる秘訣かもしれない」（清水）。

「アルバムを作ってみて再認識した僕らの強みって、サウンドに対する貪欲さや柔軟さかな」（生田目）。

　そんなコンタクトの作詞／作曲も担う清水ががむしゃらに弾き倒す手弾きシーケンサー（QY）は、彼らのライヴにおいて存在も大きい。楽曲のメロディーに重なるようにQYがリズムを奏でる。それがバンドに新しい色とインパクトを吹き込む。

「僕がQYを弾けば、それに負けないように、対抗するギターを弾いてくる。それが良く噛み合っていて。QYっていろんな音色があって、たとえばピアノや雨の音とかもあるんです。そういうのを出したらまた新しいサウンドになるだろうし、まだまだ奥行きが出る。絶対ギターを持つというこだわりもないし。それがこのバンドの強みでもある」（清水）。

　4人のフィルターを通して出てくる音は、おそらく4人がいちばん予測できないのだろう。口を揃えて〈フジロックは感動した。次はもっと大きなステージで〉という彼らの願いが達成されるのも、時間の問題のはず。音源とはまったく異なるというライヴもぜひご覧あれ。