インタビュー

横山健

Hi-STANDARDの、BBQ CHICKENSの……横山健による初ソロ・アルバム『The Cost of My Freedom』に封じ込められた、彼の意外な本性とは?

これが自分の本分なんだなって


写真:吉場正和

 日本のロック活性化に一役も二役も買っているレーベル、PIZZA OF DEATHのオーナーでもあり、同レーベルの看板であるHi-STANDARD(現在活動停止中)やBBQ CHICKENS、the 原爆オナニーズのギタリストでもある横山健がソロ活動をスタートさせた。彼にとってまったく未開のキャリアであるソロ活動について、まずはその経緯から訊いてみた。

「98年ごろに、トミー・ゲレロのアルバムを聴いて、ギタリストとしてソロ作品を作りたいなっていう構想があったんです。で、そのあとハイスタが活動停止したときに、弾き語りをやりたい、自分の歌を持ちたいという思いが強くなったんです。今回はその延長ですね。弾き語りは、その人とギター、歌があれば成り立つ、いちばんシンプルな形ですよね。そこに魅力を感じたんです。自分の歌を持つ以上、自分でも納得のいく〈大トロのメロディー〉を作りたいと思いましたね。そう、〈大トロ〉(笑)」。

 といったわけで届けられたファースト・アルバム『The Cost of My Freedom』。彼が言う〈弾き語り〉の曲もあるにはあるのだが、大半の曲は気持ち良いほどのバンド・サウンドだ。

「そういうのは、もういいかなと思ってたんですよ。でも、HAWAIIAN6のプロデュースとかしてるといろんなアイデアが浮かぶんです。つくづくこれが自分の本分なんだなっていうのを思い知らされて。で、横山健のソロは、バンド・サウンドがメインで、アコースティックは〈挑戦〉って形でやるのがいちばん良いんじゃないかって」。

 さて、初の本格的なソロ活動ということで相当な注目を集めている横山健だが、彼はこんなふうに話を続けた。

「大きな話かもしれないけど、僕は僕で生きて行くわけですよ。毎日を過ごすなかで、曲を作りたい欲求に素直に従ってみたって感じですね。僕にとって曲が形になった瞬間が日常でいちばん楽しい瞬間なんです。曲が出来上がったときの高揚感に勝るものはないですね。金がいくら入ったとか何を買ったとか、そういったものでも勝てないですね。いまある曲を形にしたいって、飢えちゃってたんですね」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年02月26日 17:00

更新: 2004年03月18日 19:16

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/土屋 恵介