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インタビュー

The Casualties


 Oi!Oi! アンダーグラウンド・バーミー・アーミー!! キャリアおよそ14年を誇る、NYのスパイキー&ドランク・パンク大将、カジュアルティーズが『Die Hards』以来2年ぶりとなるニュー・アルバム『On The Front Line』をリリースした! プロデュースに元ブラック・フラッグで現ディセンデンツ/オールのビル・スティーヴンソンを迎え、4月の超待望の再来日(with フロッギング・モーリー!)を前にしてのビッグ・ニュース!! ファスト&ラウドでハード&シンガロングな〈200%トータル・ファ×キン・パンク・ロック〉作品であることはもちろん、当然、その強烈でディープ・インパクトなヴィジュアル・ショック以上の衝撃が今回もビリビリだ!!

「俺たちにとっては、ショウで観客とバンドがいっしょになって楽しめることが大事なんだ。だから曲はキャッチーで、オーディエンスがほぼ全曲いっしょにシンガロングできるようにすることがポイントかな。そうすればみんながひとつになれる気がするだろ?」(ジェイク:以下同)。

 唯一のオリジナル・メンバーであるジョージについで長い、10年のカジュアルティーズ・キャリアを迎えるジェイクもそう語るように、彼らの基本は〈パンク・ロック〉で楽しむこと。とはいえ何でもアリで脳天気なのとは違って、筋が通って芯のしっかりしたメッセージも持っていることがヤツらのクールなところ!

「今回は、自分たちの置かれている状況や社会、政府のことに関して日頃から疑問に感じていることを、少し真面目に知的な視点から表現したかったんだ。でもやはり俺たちはポリティカル・バンドではないから、それらに関する俺たちなりの意見や感想を歌ってるだけなんだよ。基本的には〈ビア&パーティー!〉が、人生の中で常に大きなパートを占めているからね(笑)」。

 ってなワケで、いまや世界中のストリート・パンクスやスキンズから絶大な支持を得まくっている彼らは、アンダーグラウンド・シーンのみならず、巨大なパンク・イヴェントである〈Warped Tour〉にも参加を果たしており、2004年度に至ってはそのメイン・ステージのヘッドライナーも務める予定だという。でもそれって、これまでの活動の硬派っぷりを考えると正直意外だし、ぶっちゃけ、アンダーグラウンド・パンクスからは非難轟々だったりしない?

「〈Warped Tour〉=MTVパンクスというイメージには反対しないよ。俺たちはあそこに出てる90%のバンドは大ッ嫌いだからね(笑)。でもあの場にはインチキなポーザーだけでなく、本当にパンクに興味があって来てるファンや感受性の強いキッズたちもたくさんいる。確かに非難されたりのリスクも大きいけれど、俺たちはどんなバンドといっしょにやるかってコトよりも、そんな若い世代を少しでも正しい方向に導いて〈パンクス〉にすることができるなら、それこそがカジュアルティーズとしてとても大切なことだと思ってるんだ。それによって、俺たちのサウンドやライフスタイルが変わるワケでもないしな」。

 G.B.Hやエクスプロイテッドなどのクラシックなパンクを知らない世代を前にして、リスクを背負ってでも「俺たちが代表となってみんなを引っ張っていかなければいけない!」と胸を張って言い切る彼らは、まさにアルバム・タイトルどおり、シーンの〈第一線=Front Line〉にガンガン打って出る、生粋のパンクスにしてパンク・ロック・バンドなのだ!!

「俺たちはいくら歳をとっても常にパンクスだし、いつまでもカジュアルティーズとして変わらず、常に酒を飲んで(笑)パンク・ロックしているよ。パンク・ロックは人生そのものだからね!」。

 ランシドやドロップキック・マーフィーズだけがリアル・パンク・ロックじゃない! 本物を食らいたきゃコレを聴けってのよ!! Oi!Oi!!

PROFILE

カジュアルティーズ
90年、NYで結成。当初5人組バンドとしてスタートするが、現在のメンバーはジョージ(ヴォーカル)、ジェイク(ギター)、リック(ベース)、メガーズ(ドラムス)の4人組。US東海岸を中心にしたライヴ活動を展開し、96年にはUSのバンドとしては初となるUKでの〈Holidays In The Sun〉に出演を果たす。翌年のファースト・アルバム『For The Punx』を皮切りに、98年の『Underground Army』、2000年の『Stay Out Of Order』、2001年の『Die Hards』とアルバムを発表。その間にも着実にファン層を拡げ、昨今の〈Warped Tour〉へはコンスタントに出演を重ねている。このたびニュー・アルバム『On The Front Line』(Side One Dummy/bullion/ULF)がリリースされたばかり。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年03月11日 12:00

更新: 2004年03月11日 18:53

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/ヤマダナオヒロ