インタビュー

『アンテナ』へと繋がる、くるりニュース録(2002~2004)

ライヴ・ツアー
近年のくるりのツアーで特筆すべきものは、ディスメンバーメント・プランと行った2002年9月の米国西海岸ツアーだろう。このツアーで彼らは現メンバーのクリストファー・マグワイアがバック・バンドのドラマーを務めたジョン・ヴァンダースライスと出会い意気投合。後日セッションを行い、その奇跡的な相性の良さで、のちの正式加入に繋がる。

ドラマー交代
2002年7月、森信行の脱退後、くるりは現ZAZEN BOYSのアヒト・イナザワやmiguことあらきゆうこといったドラマーを迎えてライヴを行っていたが、探していたのはサポートではなく、新たなメンバーだったという。いったんはドラマー不在のまま、本作のレコーディングで渡英した彼らだが、前年の出会いが忘れられず、前述のクリストファー・マグワイアにバンド加入を要請した。なお、ミネアポリス出身の彼はN.E.R.D.のバック・バンドを務めるスパイモブと親交が深いとのこと。

NOISE McCARTNEY
くるりが立ち上げた自主レーベル。オフィシャル・サイトには〈くるりのアンテナに引っかかった良質の音楽たちをダイレクトにリスナーの皆様にお届けすることをコンセプトとしています〉と書かれているが、こんなところにも〈アンテナ〉が! これまでに、サンフランシスコのシンガー・ソングライターで前述のジョン・ヴァンダースライス、関西出身のバンド、越後屋、くるり宛に届けられたデモテープのなかから選び抜かれた日本の若きアーティストたちによるコンピレーションをリリース。

百鬼夜行
THA BLUE HERB、遠藤賢司バンド、レイハラカミ、BRAHMAN、ART-SCHOOL、モーサム・トーンベンダー、DRY & HEAVY、ソウル・フラワー・ユニオン、矢野顕子、BACK DROP BOMB、クラムボン、怒髪天、無戒秀徳アコースティック&エレクトリック、TSUTCHIE……好きなアーティストを招いて毎年行われているくるり主催のライヴ・イヴェント。これもまたひとつの〈アンテナ〉と言えるのではないかと。

ジョゼと虎と魚たち
サントラという作品の性格上、バンド・サウンドにとどまらないサウンド・スケッチ的な内容になっているが、Buffalo Daughterの大野由美子ほかゲストも多彩で、この作業における試行錯誤がシンプル極まりない『アンテナ』の世界観に影響を与えた可能性も。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年03月11日 17:00

更新: 2004年03月25日 17:07

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/小野田 雄

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