ターンテーブリズムの可能性を〈外〉に拡げる、ということ
このコラムに掲載した作品は、エクセキューショナーズ(のメンバー)が参加した作品のごく一部だ。そのヴァーサタイル性がよくわかる並びだと思うが、リンキン・パークやブルー・マン・グループ、コーナーショップといった(あえて括ると)ロックはもちろん、チャーリー・パーカーのリミックスやハービー・ハンコックとの共演など、ジャズの分野にも易々と踏み込む。一方ではレゲエ×ヒップホップの交配企画『Def Jamaica』に参加したり、ネリー“Hot In Herre”をリミックスするなど、コマーシャル寄りのことも違和感なくこなせてしまうのが彼ららしい。こういった気軽なスタンスは、ある種の求道性に収束していく同輩たちとは一線を画しながら、多方面においてターンテーブリズムの可能性を拓いている。遠心的な動きに見えても、彼らの活動は自身のコア(つまり、ヒップホップ)に対する求心的な行為だとは言えないだろうか?
- 前の記事: X・メンを小さくおさらい!