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インタビュー

50 Cent(3)

音楽だけで判断したかった

 一方でトラック面については以下のように語ってくれている。

「フィーリングを大事にしたかったから、いろいろなプロデューサーから送られてきたデモCDも、無記名の状態にしてからオレのところに持ってくるように頼んだ。プロデューサーの知名度とかだけで判断したりすることのないようにね。音楽だけで判断したかったんだ」。

 その結果、御大ドクター・ドレー&マイク・エリゾンド、ヒット請負人のスコット・ストーチ、ブラック・ジェルーズ&シャ・マニーXL、ハイ・テック、ニードルズ、エミネム&ルイス・レストといったアフターマス作品では馴染みの布陣と、比較的無名に近いプロデューサー陣がクレジットを分け合う形になった。ゲスト陣もエミネムとGユニット・メンバーのみといった簡素さだ。例外はアーバンな“Build You Up”で濃密なヴォーカルを披露するジェイミー・フォックス(なんか急に俳優としてエスタブリッシュされたことになっているが……)ぐらいのようだ。そのGユニットは、ゲーム、オリヴィアに続いて「スパイダっていう西海岸のMCとの契約に動いてるところだよ。才能もあるし、ゲームも西海岸だけど、声もスラングもクセも違うし、また異なるタイプの男だな」とまだまだ拡大を続けていきそうだし、50個人としては、エミネムにとっての「8 Mile」のような半自伝的映画「Hustler's Ambition」(「Locked And Loaded」から改題されたようだ)の撮影に4月から入り、その後はエミネムやリンキン・パークと共同での全米ツアーも検討中とのこと。そうなると、一昨年末に中止になった単独日本公演にも期待したくなるのだが……。

「日本のファンには感謝してるよ。もっと日本でパフォーマンスしたいんだけど、入国させてもらえないんだ……。エミネムといっしょに行った2年前のショウは最高だったよ。会場もデカかったし、違う言葉を話すヤツらがオレの曲をちゃんと一語一句知っていたし、エキサイティングだったね。日本行きが実現できたら、メチャメチャ盛り上げてやるぜ」。
▼プロデューサー陣の作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年03月10日 11:00

更新: 2005年03月17日 19:04

ソース: 『bounce』 262号(2005/2/25)

文/出嶌 孝次