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インタビュー

Lifehouse

バンドの原点に戻り、ふたたび輝きを取り戻したライフハウスのニュー・アルバムが登場!!


 4年ほど前に大ヒットした“Hanging By A Moment”という胸キュンの耳タコ・ソングを覚えているだろうか。2001年に〈全米のラジオ局でもっとも頻繁にオンエアされたナンバー〉に選ばれた同曲のおかげで、ライフハウスのデビュー・アルバム『No Name Face』はアメリカだけで300万枚を超えるセールスを記録、一躍人気バンドの仲間入りを果たしてしまった。そんな彼らがメンバーチェンジなどのチューンアップを施して、約2年半ぶりとなる新作『Lifehouse』でシーンに戻ってきた。じっくり腰を据えて取り組んだこのサード・アルバムは、みずからのバンド名をタイトルに冠していることからも分かるように、彼らにとっての自信作、そして心機一転の原点回帰作でもある。

「前作『Stanley Climbfall』ではハードなサウンドを採り入れたり、アグレッシヴにやってみたり、いわゆる〈オルタナ色〉を打ち出そうとしてみたけれど、そもそも僕たちらしくなかったよ。“Hanging By A Moment”の大ヒットによるプレッシャーから逃れようとあがいていたんだろうね。結果的に自分たちらしさに欠いていた」(ジェイソン・ウェイド、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 そんなビジネス・サイドの呪縛から解かれて、本当に自分たちのやりたいサウンドを追及したというだけあって、ライフハウスらしい真摯で真っ直ぐな視線はそのままに、アルバムとして統一感のある作品に仕上がっている。プロデュースにあたっているのはジョン・メイヤーやレイチェル・ヤマガタ、ジェイソン・ムラーズらを手掛けて最近乗りに乗っているジョン・アレイジア。余分な贅肉はないが、スペースをたっぷりと活かしたサウンドがジェイソン・ウェイドという稀有なソングライターの旨味を最大限に引き出している。この人の書く曲は赤裸々で誠実なんだけど、なぜだか世の中をガラス越しに眺めているかのように大人びたところもあって、捉えどころのない余韻が魅力。

「このアルバムではもっと自分たちに正直に、自分たちがいいと思うような音楽をやろう、という点にこだわったんだ」。

 一聴しただけでは地味だけど、実はやっぱり耳タコなのは本作でも同様だ。
▼ライフハウスのアルバムを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年05月12日 15:00

更新: 2005年05月12日 19:10

ソース: 『bounce』 264号(2005/4/25)

文/村上 ひさし