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インタビュー

で、ハリウッド・ベーシックって何よ?

 創刊当初の「The Source」誌に寄稿したり、プロダクションの代表を務めたりしてヒップホップ文化を世に広めた重要人物、デイヴ・ファンケンクライン(ECDの“POWER OF THE UNDERGROUND”は彼が主催するパーティーのフライヤーに書かれたキャッチから曲名を付けたそう)。そんな彼の創設したレーベルだからこそ、ハリウッド・ベーシック(以下HB)は当初からヘッズの絶大な信頼を集めた。なかでも名を成したのはファロア・モンチとプリンス・ポーが組んでいたオーガナイズド・コンフュージョンで、91年の名作『Organized Konfusion』(Hollywood Basic)などを残している。他にはロウ・フュージョンやブー・ヤー・トライブ、ライファーズ・グループ、そして当時の音源が2003年に『Big Shots』(Stones Throw)として陽の目を見たカリズマ&ピーナッツ・バター・ウルフらが在籍。さらに注目すべきはDJシャドウの“Lesson 4”か。彼がジェイムズ・ラヴェルに見い出されたのはHBの音源がきっかけだったという逸話もあり、大袈裟に言えばデイヴの先見性がなければ名作『Endtroducing』(Mo'Wax)も存在しなかったということ。デイヴの死もあってHBは短命に終わったが、その遺志は確実にシーンに根付いているのだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年05月26日 11:00

更新: 2005年05月26日 20:33

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/下妻 鋼史

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