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インタビュー

A Static Lullaby

スクリーモ界の最終兵器がメジャー・デビュー!コイツらのリアルな叫びに思う存分痺れなさい!


 さまざまなバンドが現れて過熱するスクリーモ・シーンに、最終兵器投下! そのバンドがこのスタティック・ララバイだ。2002年にインディー・レーベルのフェレットから、ヘイトブリードを手掛けたスティーヴ・エヴェッツをプロデューサーに迎えてのファースト・アルバム『...And Don't Forget To Breathe』をリリース。早耳リスナーを熱狂させた彼らが、このたびコロムビアに移籍してメジャー・デビュー・アルバム『Faso Latido』を完成させた。

「このアルバムには、俺たちがどんなバンドなのかがすごく表れていると思う」(ジョー・ブラウン、ヴォーカル:以下同)。

 アグレッシヴなサウンドと涙腺を刺激するメロディー、緩急織り交ぜた曲展開。前作以上に磨き上げられた楽曲は、より多くのファンにアピールすることになるだろう。

「俺たちがどんな人間なのかを今までよりディープに伝えているアルバムなんだ。自分たちを表現できないなんてありえない。そんなのは本物じゃないからね」。

 彼らが他のバンドと比べて変わっている点は、ヴォーカル・パートの分担だ。ベーシストのフィル・ピローネがメロディー・パートを担当し、メイン・ヴォーカルであるジョーはひたすらシャウトに徹している。プロモ・クリップやライヴ映像で観るジョーの叫びっぷりには、鬼気迫るものを感じる。なにが彼をそこまで叫ばせるのだろうか。

「ポップ・ミュージックっていうものを、俺はまったく信じてない。俺たちはメジャー・レーベルに所属していて、レーベルには感謝してる。でもバンドによっては売れるために賄賂を渡したりしていて、それってものすごく卑劣だと思うし、一体リアルなものは何なんだ?って思うよ」。

 どうやら現在の音楽シーンに対するフラストレーションが、彼を突き動かす原動力となっているようだ。

「俺はウィスキーとブラック・サバスしか信じていない。俺はロックンロールをやっていて、それを毎日の生活の中で試みているんだ。他のバンドとか人間にはまったく関心ないね」。

 アルバム発表後、バンドは盟友であるユーズドなどと全米を廻り、その後ヨーロッパ・ツアーも敢行するらしい。ぜひ日本にも来て、そのリアルな叫びを聴かせてほしいものである。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月09日 16:00

更新: 2005年06月09日 17:22

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/粟野 竜二