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インタビュー

RAZORS EDGE

それぞれに異色のアイデアを込めて放たれる剛速球! まさにタイトルに偽りなき新作が登場だ!


 個性と持ち味を自覚し、それを活かしつつも同時にまったく新たなことに挑戦し、新鮮で独創的な作品を作る――多くのバンドがなかなか達成できないそれを、RAZORS EDGEは、約2年ぶりの新作『MAGICAL JET LIGHT』で完璧にやってのけた。マジで心底、素晴らしい作品である。まずその最大の魅力はバンド名が示すとおり、とにかく猛烈に速く鋭いハードコア・サウンド。もちろんそれも基本として残しつつ、本作にはまさかのミドル・ナンバーを筆頭に、何と約9分もの長尺曲、さらに意外極まりないカヴァーなどの異色曲が、違和感なく響いている。一見異色なものでも豪快に取り込み、ガッツリ自分流に仕立てるという荒技、大技がバンバン決まっている点がとても痛快だ。

「あきらかに変化しましたね。それは前作を出してツアーやライヴを続けていくうちに自分たちが出す音に確信が持てるようになって、じゃ、もう何をしてもRAZORSはRAZORSだ!っていう、吹っ切れモードになったからですね。何かしらあったと思う制限的なものがスコーンとなくなって、ミドルの曲も自然にできちゃいました。長い曲も前からあったアイデアで、今回まさにチャレンジできる体制にバンドがなったという具合ですよ」(KENJI RAZORS、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 加えて、今作ではストロングでシンガロングで泣きでポップでメロディアスという、すなわち〈Oi〉の要素が、ハードコアと合体する形で鮮烈に表現されている。

「僕もOi好きで、コックニー(・リジェクツ)、ブリッツ、シャム69は大好き。で、速い曲にもビッグ・コーラスは絶対相性がいいと思ってて! 実はこれはバンド初期からやろうとしてたことなんですよ」。

 Oi好きの同志諸兄には、ぜひとも聴いていただきたいところである。そして、本作のイメージを語るとするならば、それは〈宇宙、富士山、ジェットコースター〉という3つの言葉に象徴されるのだという。

「宇宙と富士山の間をジェットコースターで飛び回るようなアルバムにしたかったんですよ。宇宙つっても行ったことないですし、宇宙戦艦ヤマト的な男的な宇宙感(笑)のシュワーッて盛り上がる感じは熱いなと。“STR8 TO SPACE”“JET STREAM”“NO PAIN, NO GAIN”はそれですね。あと、ここ2年富士登山してるんですけど、あのバカバカしい感じが好きで、登りながら、歌えたらな~って作った曲もありますよ。“MOUNTAIN MOUNTAIN”はそうですね。もう登っちゃうと上には宇宙しかないんですよ、実際。そういう現実なんだけど非現実的なデカイ感じを曲とか音に出してみたかったんです。わかります(笑)?」。

 わからなくても、聴けばきっとわかります(笑)!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月09日 16:00

更新: 2005年06月09日 17:22

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/中込 智子

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