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インタビュー

コールドプレイの出現以降に巻き起こった叙情派バンドの大波!

 レディオヘッドがUSで大きな支持を集めたことに端を発している〈UK叙情派バンド〉ブーム。しかしこの〈叙情〉という概念が世界中に飛び火し、シーンを形成するまでに成長したのは、コールドプレイがUSで莫大な商業的成功を収めたからに他ならない。その後、〈叙情派〉を冠して現れたバンドにはやはりUK勢が多く、グラスゴーのスノウ・パトロールがスコティッシュらしいギター・ノイズ+哀愁メロディーで登場。さらにギターレス・トリオのキーンが陽性の正統派叙情を美しく鳴らしてシーンを席巻する。最近はサーティーン・センシズがコールドプレイの後継者的面構えでシーンを盛り上げているが、もはや叙情派バンドはUKばかりの話ではなくなった。

 カナダから登場したスティルズの場合、ニューウェイヴなリズムに美しく揺らめくメロディーで独自の叙情を形成。さらにUSエモ界の中でも〈泣き〉の部類でいまもっとも注目されているバンド、コープランドは明らかに叙情派とリンクしたメロディーセンスを持ち合わせて各方面から絶賛された。そして今年、叙情派マニアの間でいちばんの話題となっているのがデンマークのセイビア。胸が締め付けられるような切なさと、無常感を湛えた儚いメロディーで今年ブレイクの兆しを見せている。やっと駒が出揃った感じの叙情派シーンなれど、コールドプレイの新作発表でどのような動きに転じるのか。今年は叙情派好きにとって重要な年になりそうな予感です。

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カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月09日 11:00

更新: 2005年06月16日 20:01

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/冨田 明宏

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