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インタビュー

System Of A Down

言いたいことが山ほどあるんだ──怒れる伝道師の新作はなんと2部構成! その第1部となる『Mezmerize』がついに到着! より攻撃的になって戻ってきた彼らを、拳を突き上げて出迎えようではないか!

偽りのないサウンドにしたかったんだ!


米国の大都市ではさまざまな人種のタクシー運転手に出会うが、LAの場合だとアルメニア移民の運転するタクシーにたびたび乗り合わせる。ハリウッド東部地区にリトル・アルメニアと呼ばれる、本国外では最大のアルメニア人居住区があるからだ。システム・オブ・ア・ダウン(以下SOAD)はそこで育った若者たちによって95年に結成された。メンバーは、ダロン・マラキアン(ヴォーカル/ギター)、サージ・タンキアン(ヴォーカル/キーボード)、シェイヴォ・オダジアン(ベース)、ジョン・ドルマイアン(ドラムス)の4人組だ。

2001年にリリースされたセカンド・アルバム『Toxicity』が全米アルバム・チャート1位に初登場。現在までに全世界で540万枚のセールスを記録し、SOADは一躍全米を代表するロック・バンドとなった。翌年アウトテイク集『Steal This Album!』をリリース。そこからのシングル“Boom!”のプロモ・クリップをあのマイケル・ムーアが手掛け、ブッシュ政権のイラク侵攻に反対する強いメッセージが話題を呼んだことも記憶に新しいけれども、こと新録音作となると3年半も待たされ続けたことになる。その待望のニュー・アルバムは、1年半もの制作期間中にアルバム2枚の分量にまで膨れ上がった。まずは今回『Mezmerize』がリリースされ、秋に『Hypnotize』が届くことになっている。どのようないきさつでアルバム2枚を発表することになったのだろうか?

「当初アルバム2枚をリリースするつもりではなかったんだ。ただ曲がたくさんあって、どれを切り捨てればいいか考えられなかった。そして、それからしばらく経ってからも曲を書き続けていたんだ。その過程で僕らは2枚のアルバムをリリースすることを思いついたんだよ」(サージ)。

「すべての曲にパワーが溢れ、偽りのないSOADの作品になるように念を入れた。時間を埋めるための曲などはなく、それぞれの曲が個々に意味を持ち説得力あるものになるようにね。それは2枚を同時リリースしない理由でもある。30もの曲を詰め込むのは、同時に30人に会うようなものだ。そんなふうに僕らの曲を発表したくない。少ない曲数でまとめて別々に出したほうが、全体をさっと通して聴くのではなく、それぞれの曲の意味をしっかり受け取ってもらえるだろ?」(ダロン)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月23日 15:00

更新: 2005年06月30日 19:03

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/五十嵐 正