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インタビュー

〈別れ〉にまつわるエトセトラ

 最近も森進一が〈♪行かないで~〉とか歌っていたし、何もジャンル限定の話じゃないけど、恋愛のあれこれが描かれることの多いソウル~R&B作品では、当然〈別れ〉もたびたび題材とされている。ただ、それらはあくまでも物語的なものでロック系シンガー・ソングライターのように私小説的な作風に特化して〈別れ〉を歌うことはさほど多くないようだ。ただ、R・ケリーやスティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、最近だとアッシャーがチリ(TLC)との別離を〈告白〉した『Confessions』のようにいくつかの際立った例もあり、その金字塔こそ〈離婚伝説〉の邦題も強烈なマーヴィン・ゲイの『Hear, My Dear』だろう。これはアンナ夫人との離婚に際したマーヴィンが、600万ドルの慰謝料を支払うために作られたという、成り立ちからして昼メロのような作品なのだが、内容もやたらとディープ。楽しかった出会いを回顧する“I Met A Little Girl”と、〈これで十分だろ!?〉と慰謝料について歌う“Is That Enough”が並んでいるという、複雑な愛憎が噴出しまくった素晴らしい作品なのだ。そこまでパーソナルで直截的な作品ではないにせよ……『Hurricane』はリリックにも注目して聴いてみよう。
▼文中に登場した作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月30日 15:00

更新: 2005年06月30日 20:19

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/轟 ひろみ

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