インタビュー

グループからソロへ、美しき声が辿ってきた美しき軌跡

Port of Notes 『Duet With Birds』 クルーエル(2001)
ギタリストの小島大介とのデュオによる2作目。スティーリー・ダンの持つクリーンなラディカリズムを受け継いだかのようなソング・クラフトに、オーガニックなムードと先鋭的なプロダクションも同居するバランス感覚が素晴らしい。

Double Famous 『SOUVENIR』 スピードスター(2001)
フロアから野外まで、マイペースに活動を続ける遊牧民的音楽集団。無国籍な雰囲気の中に、畠山のふくよかな歌声が楽曲にくっきりとした色付けを与えている。インストが多い彼らの作品のなかでもヴォーカル・オリエンテッドな一枚だ。

畠山美由紀 『Diving into your mind』 東芝EMI(2002)
盟友、LITTLE CREATURESの鈴木正人をプロデューサーに迎えた初のソロ・アルバム。大らかさと繊細なタッチを自由に行き来する彼女のヴォーカリゼーションは、より〈普遍的な歌を追究していこう〉という意気込みを感じさせてくれる。

畠山美由紀 『Fragile』 東芝EMI(2002)
楽曲の本質を真っ向から捉えようとする、しなやかな姿勢に胸を打たれるカヴァー集。ジャズやボサノヴァなど、古今東西のタイムレスな名曲に加えて、ポリスやブラックといった80年代からの選曲が嬉しい。シンプルだが豊かな響きを持つサウンドも良い。

畠山美由紀 『WILD AND GENTLE』 東芝EMI(2003)
指向の異なるサウンドメイカーたちによる温かみに溢れたアプローチと、自然の美しさを讃えた彼女自身のリリック。そのリリックと松本隆による詞作曲との対比が、彼女のヴォーカリストとしての表現力の確かさをさらに印象づけている。

畠山美由紀 『Live at Gloria Chapel -the Great American Songbook-』 東芝EMI(2004)
〈教会〉というシチュエーションが生む独特の荘厳さをあますところなく収録したライヴ盤。副題のとおり、アメリカン・ポップスの歴史を辿るような、歌い継がれていく歌への敬意と愛情に満ちている。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年04月06日 14:00

更新: 2006年04月06日 21:39

ソース: 『bounce』 274号(2006/3/25)

文/駒井 憲嗣

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