こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

サンボマスター

どんな状況でもわが道を行く、サンボ流ロック炸裂の新作が登場!!


 言うべきことは音と言葉で言い尽くされていて、もはや天才バカボン級の〈これでいいのだ〉状態に突入している。最高です。サンボマスターがイノチガケで作ったサード・アルバム、その名は『僕と君の全てをロックンロールと呼べ』。

「そこで何が起きたか。それを残せたことに、すごい満足してます。僕らの音楽を聴いてくれる人は、本気で熱狂的に支持してくれる。それに対して誠実に歌っていきたいということを、作るうえでいちばん思いましたね」(木内泰文、ドラムス)。

「いままでは2週間とか3週間とかで作ってたんですけど、今回は半年ぐらいかけて。いいトラックが録れて、歌もいい感じで入って、そこからさらに新しい感じのコンセプトを………考えたんですよね?」(近藤洋一、ベース)。

「考えましたよ。僕がこのアルバムで歌いたかったのはまずコミュニケーションと、〈ネガティヴにならないでくれ〉ってことですね。ローリング・ストーンズが〈満足できねぇんだよ〉って言ったとき、世界にゴマンといる満足できねぇ奴らを肯定したわけですよ。命を肯定してあげるっていうのかな。〈シンクロ〉って言ってもいいかもしれない。それがロックンロールのやることなんですよね」(山口隆、ヴォーカル/ギター)。

 ジャンルというよりも、精神としてのロックンロール。その、剥き出しのそのまんまの姿が音になってしまった痛快な驚き。

「だからね、よく僕らが過剰だとか逸脱してるとかいいますけど、過激で過剰で逸脱してないロックって何なの?って訊きたいですよ。俺らは俺らなりにそれをやってるだけでね、こんな痛快なことはありませんよ!」(山口)。

〈2006年春における、僕とあなたとサンボマスターの存在証明〉とまで言いたくなってしまう本作。生きていることのすばらしさを感じる、印象的なアルバムだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年04月27日 21:00

更新: 2006年05月04日 19:15

ソース: 『bounce』 275号(2006/4/25)

文/宮本 英夫