インタビュー

DAMAGE

突然変異のインテリジェント・テロリスト、その全貌があきらかに!!


「いちばん影響を受けたのは、ひたすら暗く重たい工場と煌びやかな街のサウンドとノイズ」(A2CITY、ヴォーカル:以下同)。

 2003年のエイプリルフールに結成。同年、ライヴ会場でのみ流通したCD-Rが、早くも話題を呼ぶなど異例の展開を見せた6人組、DAMAGEが、ファースト・アルバム『SIGNAL NEWYORK』を完成させた。

「ハードコアやノイズなどのライヴを観たり、エレクトロクラッシュやブレイクビーツのパーティーに行ったりしていただけで、シーンというのはないところからはじまっている」と言う彼らが奏でるのは、ニューウェイヴ、ヒップホップなどを消化した、インダストリアルなボディ・ミュージック。ベース・シンセとアナログ・シンセというふたつのシンセを中心に、ギター、ドラムス、そしてツイン・ヴォーカルという編成から生み出される、どこまでも硬質な音像。それは、これまでの日本の音楽シーンにはなかったような――むしろナイン・インチ・ネイルズなどにも共通するような――とびきりヤバいアンダーグラウンドな世界観を打ち放っているのだった。

「いい意味でも悪い意味でもヤバイ時ってドキドキしたりワクワクしたりすると思うけど、そういう感覚にできるだけキャッチーな仮面を被せてポップに表現できるように心掛けている。というか自然に心掛かっている」。

〈魅惑〉と〈困惑〉の境目を打ち砕き、音やビートが本来的に持つ〈ヤバさ〉そのものに付き従うように音楽を鳴らす彼ら。そのゲリラ的な佇まい共々、日本のシーンに落ち着く場所がないからこそ、何かを起こしてくれそう――彼らのサウンドには、そんな予感と期待が漂っている。

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掲載: 2006年05月04日 18:00

更新: 2006年05月04日 19:15

ソース: 『bounce』 275号(2006/4/25)

文/麦倉 正樹