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インタビュー

LITE

闇夜を切り裂く、驚異のインストゥルメンタル・バンド!!


 変拍子を交えたタイトにして抽象的なリズム・アプローチ、そして、美しいメロディーと変則的なギター・アンサンブル。インストゥルメンタル・ロック・バンド、LITEのファースト・アルバム『filmlets』は、その音楽性をさらに豊潤に進化させた、意欲溢れる作品となった。

「前回のミニ・アルバム(昨年リリースされた5曲入りEP『LITE』)よりも、広がりを持たせたいと思ったんです。感情、人間的な部分が盛り込まれた作品にしたい、というか……。今回のレコーディングでは、いままでよりもさらに感覚を重視したんです。頭で考えるんじゃなくて、〈このフレーズ、いける!〉と思ったら、そのまま進んでみるっていう」(武田信幸、ギター)。

「一方で、ある程度〈狙って作る〉というところもあって。アルバム全体を見据えながら〈ガツンとくる曲がほしいね〉とか〈実験的な要素を入れた曲も入れよう〉とか。そこは前作と違う部分かもしれないですね」(井澤惇、ベース)。

 その結果として本作には、聴き手にカラフルなイメージを喚起させる効果が備わっている。プログレッシヴ・ロックの進化系ともポスト・ロックの新潮流ともいわれる彼らだが、そんなカテゴライズは関係なく、その音楽は自由で新しい刺激を聴く者に与えてくれるのだ。

「特に〈映像が浮かびやすい曲を作ろう〉と思ってるわけではないんですけどね。そこはもう、聴いてくれる人に全部任せているので」(楠本構造、ギター)。

「もちろん〈新しいことをやりたい〉という気持ちはありますよ。自分たちの演奏を聴いて、〈うわ、こんなことやってたんだ!?〉ってビックリして、興奮できる――それがないと、やっててもおもしろくないし、感動できないので」(山本晃紀、ドラムス)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年05月11日 18:00

更新: 2006年05月11日 19:19

ソース: 『bounce』 275号(2006/4/25)

文/森 朋之