Caravanの音楽嗜好をちょっとだけ拝見!
「泥臭さと洗練が同居してて、かつメランコリック」──影響を受けた音楽すべてに共通するニュアンスをCaravenはこう語ってくれた。というわけで、ここではCaravanみずからが挙げてくれたフェイヴァリット・アルバムを紹介していこう。
まず真っ先に出てきたのがトム・ウェイツの初期音源集『Early Years』。この頃はお馴染みのしわがれ声がまだ瑞々しくも青臭さを発散していて、メランコリーがかなり胸にグッとくる。そして、やや意外な気もしたマディー・ウォーターズの『Electric Mud』は、ブルースそのものではなく、ファンクやジャズ、ロックの要素を融合した異色作である点が、アコースティック感を大事にしつつ、打ち込みやループによってエレクトリックな要素を自然に使いこなしている彼の音楽の折衷性と通じている。続いてはギル・スコット・ヘロンの『Peace Of A Man』。ポエトリー・リーディングにブルースやソウル、ジャズを採り入れたサウンドが湛えた空気感もまた、彼の音楽が放つそれととても似てる気がしてならない。また、ベン・ハーパー『Fight Your Mind』の持つ〈エモーション重視でまとまり感は二の次〉的な感覚はCaravanのニュー・アルバムにも通じるところであるし、同じ意味でスピーチの『Speech』もラップでもソウルでもない自由度の高い音楽のあり方がCaravan的だと言えよう。
そう、ここに登場した作品のニュアンスは、彼の音楽にもそのまま当てはまるものだ。これは偶然か? それとも必然か? もし、アナタがCara-vanの作品になんらかのシンパシーを感じたのなら、ここに登場した作品をぜひとも聴いてみてほしい。
▼文中に登場した作品を紹介。