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インタビュー

Jagged Edge

ストロングな歌声を鋭く磨き上げてきた4人……ヴォーカル・グループの砦は俺たちが守る!


 長らく不遇続きだった男性ヴォーカル・グループ事情も、メトロ・シティ(キーシャ・コール“Superstar”参照)あたりを口火に年末ぐらいから再興の兆しを見せてくるはず……なんて希望的観測を現実のものにするためには、まずはこの人たちに牙城を守り抜いてもらわねば。前作『Hard』から約3年ぶり、通算5枚目のニュー・アルバム『Jagged Edge』を完成させたジャギド・エッジである。
「キャリアを代表するアルバムができたって感じさ。今回のアルバムは俺たちにとってスペシャルなんだ。だって、グループでここまでやってこれる奴らなんてなかなかいないだろ?」(カイル・ノーマン:以下同)。

 ここにきてあえてセルフ・タイトルを冠してきた真意。それはカイルのコメントにもあるようにメンバーの本作に寄せる自信の表れなのかもしれないが、全体の3分の2を占める計10曲のプロデュースをグループの頭脳であるブライアンとブランドンのケイシー兄弟が務める(コーナー・ボーイズらとの共同制作もあり)という自立体制の強調とも受け取れるだろう。両者の成長ぶりはジョン・レジェンドをフィーチャーした雄大なスロウ“Season's Change”などから容易に汲み取ることができる。

「このアルバムが完成したのはケイシー兄弟あってのことなんだ。俺たちは2人のセンスに頼っているとこがあるし、2人が〈ホットだぜ!〉って言えばホットに決まってる。奴らには頭が上がらないよ」。

 ヴォルティオをフィーチャーしてレゲトンの導入を試みたジャーメイン・デュプリ作の“So Amazing”に続き、現在はチャド・エリオットが手掛けた“Good Luck Charm”がチャート上昇中。ウェディング・ソングにぴったりのこの誠実なラヴ・バラードが、文字どおり〈男性R&Bヴォーカル・グループ冬の時代〉に終焉をもたらす〈お守り〉となりますように。

▼『Jagged Edge』に参加したアーティストの作品。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年06月01日 00:00

更新: 2006年06月01日 21:21

ソース: 『bounce』 276号(2006/5/25)

文/高橋 芳朗